
ネパール人材を特定技能で採用しようと考えたとき、まず知りたいのは「どんな順番で進み、いつ入社してもらえるのか」「いくらかかるのか」「誰に頼めばよいのか」の3つでしょう。
流れは、分野と業務区分の確認、候補者の選考と面接、雇用契約と支援計画の作成、在留資格認定証明書の申請、査証とネパール側の出国手続き、入国の順に進みます。
期間を左右するのは認定証明書の審査で、標準処理期間は1か月〜3か月、2026年7月に交付された特定技能1号の平均は64.1日でした。
前後の準備と出国手続きの日数を足すと、内定から入国まで3〜4か月を見込んでおくと計画に無理が出にくくなります。
費用は、紹介会社への紹介手数料、登録支援機関への支援委託費、在留資格の手続きの手数料、申請書類を作る行政書士への報酬、渡航費や住居の初期費用などに分かれます。
公的な数字は多くありませんが、出入国在留管理庁(以下、入管庁)の集計では支援委託費の月額平均が28,386円(2022年9月末時点)で、認定証明書の交付申請に手数料はかからず、在留資格の変更・更新の手数料は2026年10月1日以降の申請から、許可される在留期間に応じた額に改定されました。
支援にかかる費用は、本人に負担させてはならないとされています。
ネパールならではの点は、日本の申請では送出機関の利用が任意とされる一方で、出国にはネパール政府の海外労働許可証などの手続きが必要になることです。
依頼先を選ぶときは、現地での日本語教育の中身、面接の時点での日本語の到達度、費用の内訳の出し方、入社後の支援体制を聞き、許可番号・登録番号を公的な名簿で確かめます。
本記事では、入管庁などの公表資料をもとにこれらを順に整理し、最後に当社の進め方も紹介します。
特定技能でネパール人材を採用する流れ|期間の目安つき

海外に住むネパール人を呼び寄せる場合の流れを、期間の目安とあわせて表にまとめました。
すでに日本に住んでいる人を採用する場合の違いは、表のあとで触れます。
段階 | 主にやること | 期間の目安(公表されている数字) |
|---|---|---|
1. 条件を決める | 任せる仕事がどの分野・業務区分に当たるかを確かめ、報酬(日本人と同等以上)などの雇用条件を決める | — |
2. 候補者の選考・面接 | 技能試験と日本語試験に合格した人などから選び、面接する | 求人の開始から雇用契約までは「1か月以上3か月未満」が44.2%で最多(同じ調査) |
3. 雇用契約・支援計画 | 特定技能雇用契約を結び、1号特定技能外国人支援計画をつくる。分野ごとの協議会などへの加入と、本人への事前ガイダンスもここで済ませる | 協議会などの手続きにかかる期間は分野によって異なる |
4. 在留資格認定証明書 | 地方出入国在留管理局に交付を申請する | 標準処理期間は1か月〜3か月。2026年7月交付分の特定技能1号は平均64.1日 |
5. 査証・ネパール側の手続き | 本人が在ネパール日本国大使館で査証を申請し、ネパール側で健康診断・出国前オリエンテーション・海外労働許可証の取得などを行う | ネパール側の手続きは概ね10日間程度とされる |
6. 入国・就労開始 | 空港への出迎え、生活オリエンテーション、住居の確保や役所の手続きへの同行などの支援を行う | — |
出典:入管庁「在留資格認定証明書交付申請」「在留審査処理期間(令和8年7月許可分)」「ネパールに関する情報」、同「技能実習制度及び特定技能制度の現状について」(2022年7月の意識調査を収録)をもとに当社作成
内定から入国までは3〜4か月を見込む
入管庁は、在留審査にかかった日数を毎月公表しています。
2026年7月に交付された特定技能1号の在留資格認定証明書は、申請から交付まで平均64.1日でした(外食業分野を除いた集計で、追加資料の提出を待つ期間も含みます)。
例年4月の就職時期に向けては申請が増え、就労資格の審査期間が長くなる傾向があるとされています(入管庁「在留審査処理期間」)。
申請の前には、雇用契約と支援計画に加えて、協議会などへの加入(在留諸申請の前に構成員になることが求められます)と、本人への事前ガイダンス(認定証明書の申請前に実施)を済ませます。
交付後は査証の申請とネパール側の手続きが続くので、公表されている日数を足すと、内定から入国まで3〜4か月が一つの目安です。
求人を出してから雇用契約までの期間も加え、4〜6か月ほどを見込んで入社日から逆算しておくと無理がありません。
協議会の手続きは分野別協議会の加入手続き|在留申請の前に済ませる新ルールと所要期間で分野ごとに整理しています。
日本に住むネパール人を採用する場合
留学生や技能実習を終える人など、すでに日本に住んでいる人を採用する場合は、在留資格変更許可申請になります。
標準処理期間は1か月〜2か月で、2026年7月に許可された特定技能1号への変更は、許可の告知まで平均59.5日でした。
技能実習2号を良好に修了した人は、原則として日本語試験が免除され(介護の日本語試験など一部に例外があります)、修了した職種・作業と従事する業務に関連性があれば技能試験も免除されます。
変更が許可されたあとに本人がネパールへ一時帰国する場合は、ネパール側で海外労働許可証を申請・取得する必要があるとされています。
分野によって前提が変わる点|外食業と介護
流れは同じでも、分野によって前提が大きく変わります。
ネパール国籍で特定技能1号として働く人は15,374人(2026年6月末・速報値)で、介護と外食業の2分野で約8割を占めています。
分野 | ネパール国籍の特定技能1号在留者数 |
|---|---|
介護 | 7,410人 |
外食業 | 4,868人 |
農業 | 916人 |
ビルクリーニング | 539人 |
航空 | 508人 |
建設 | 367人 |
飲食料品製造業 | 337人 |
宿泊 | 331人 |
その他の分野 | 98人 |
合計 | 15,374人 |
出典:入管庁「特定技能在留外国人数の公表等」(令和8年6月末現在・速報値)の第1表をもとに当社作成
このうち外食業は、農林水産大臣の要請を受けて、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が一時的に停止され、同日以降に受理された申請は不交付とされています(詳しくはよくある質問のQ5)。
経緯はなぜ外食業の特定技能は新規停止になったのか|上限枠の仕組みと今後で解説しています。
介護では、介護特定技能評価試験(技能)と日本語試験(国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上)に加えて、介護特定技能評価試験(日本語)の合格も求められます(介護福祉士養成施設の修了者などを除く。2026年3月実施分までは、介護技能評価試験・介護日本語評価試験という名称でした)。
介護の受入れの全体像は介護の外国人採用|4つの在留資格ルートと事業所単位の人数枠を整理に、19ある対象分野と制度の全体像は特定技能とは|1号と2号の違い・19分野・受入れ上限の全体像を整理にまとめています。

ネパールならではの手続き|協力覚書と海外労働許可証
ネパールからの受入れには、日本側の在留資格の手続きとは別に、ネパール側の手続きがあります。
2つを混同すると、日本の許可は下りたのに出国の段階で止まる、ということが起こりえます。順に整理します。
日本とネパールの協力覚書(MOC)
日本の法務省・外務省・厚生労働省・警察庁とネパールの労働・雇用・社会保障省は、2019年3月25日にカトマンズで特定技能に関する協力覚書の署名・交換を行いました。
悪質な仲介事業者を排除するための枠組みで、保証金の徴収や不法な金銭の支払いの定め、人権侵害行為などの情報共有と、問題を是正するための協議が柱です。
2024年3月6日の口上書の交換で、2024年4月1日から5年間、継続期間が更新されています。
日本の申請では、送出機関の利用は任意
国によっては、相手国政府が認定した送出機関を通すことや、相手国での手続きを済ませたことを示す書類を在留申請に添えることが求められます。
ネパールについて入管庁は、「必ずしもネパール政府が認定した送出機関を利用する必要はない(送出機関の利用は任意)とのことです」と案内し、ネパール側の手続きを行ったことを証明する書類を在留諸申請で出す必要もないとしています(入管庁「ネパールに関する情報」)。
特定技能の提出書類一覧表でも、二国間の取決めに基づく書類が求められる国籍はカンボジアとベトナムで、ネパールは含まれていません(2026年10月時点)。
出国までにネパール側で必要な手続き
ただし、日本の申請で書類が要らないことは、ネパール側の手続きが要らないという意味ではありません。
入管庁が公開しているネパール国籍の方の受入れ手続きの解説では、ネパールの制度上、来日する本人に次の手続きが求められるとされています。
指定された医療機関での健康診断と、2〜3日間の出国前オリエンテーションの受講
海外労働保険への加入と、海外労働者社会福祉基金への一定額の支払い
ネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局の日本担当部門へのオンライン申請による、海外労働許可証の取得(出国審査で確認される)
これらの所要日数は概ね10日間程度とされ、海外労働許可証は査証を取得したあとに取る流れです。
入管庁は、日本の許可を受けても送出国の手続きを経ていないために出国の許可が得られない場合もあるとして、在留諸申請の前に送出国の手続きを確認しておくことが望ましいとしています。
日本の上陸の基準でも、本人の国で守るべき手続きが定められている場合は、それを経ていることが要件の一つです。
求人の出し方と、送出機関を通す場合
ネパールの制度上、日本の受入れ機関は本人に直接採用活動を行えるほか、駐日ネパール大使館に求人申込を出すこともできるとされています(有料)。
この場合、求人情報は大使館から海外雇用局の日本担当部門に送られ、求職者に開示されるとのことです。
また駐日ネパール大使館は、特定技能の求人票(デマンドレター)の認証に必要な書類を公表しています。
一覧には、受入れ機関の求人票や雇用契約書のほか、ネパールの送出機関との契約書と送出機関の許可証の写し、初回は海外雇用局のクリアランスレターが含まれています(駐日ネパール大使館「Documents required for SSW Demand Attestation」、2025年6月掲載)。
送出機関を介して採用する場合は、こうしたネパール側の手続きも日程に入れておく必要があります。
ネパール側の運用は変わることがあるので、進め方を決める前に、駐日ネパール大使館で最新の扱いを確かめておくと確実です。
必要書類のチェックリスト|本人・受入れ企業・分野の3つの束

在留資格認定証明書の交付申請で出す書類は、入管庁の「提出書類一覧表」で決まっています。
本人と雇用契約に関する書類、受入れ企業に関する書類、分野に関する書類の3つの束に分かれ、主なものは次のとおりです。
一覧表は2026年10月1日にも改定されているので、申請の直前に最新版を確かめてください。
区分 | 主な書類 | 押さえどころ |
|---|---|---|
本人・雇用契約 | 在留資格認定証明書交付申請書と写真、健康診断個人票、特定技能雇用契約書と雇用条件書の写し、1号特定技能外国人支援計画書、雇用の経緯に係る説明書 | 雇用契約書や支援計画書は、本人の署名と、本人が十分に理解できる言語での記載が必要。外国語の健康診断書には日本語訳も付ける |
紹介・支援の委託 | 紹介会社が間に入った場合は、厚生労働省「人材サービス総合サイト」で紹介会社の情報を表示した画面の印刷。支援を全部委託する場合は、登録支援機関との支援委託契約に関する説明書 | 紹介会社が許可を受けているかを、申請の段階でも確かめることになる |
受入れ企業(法人) | 特定技能所属機関概要書、登記事項証明書、役員の住民票の写し、労働保険料・社会保険料の納付を示す書類、国税・法人住民税の納税証明書 | 同じ年度にすでに特定技能外国人を受け入れている場合は、出さなくてよい書類がある |
分野 | 技能試験と日本語試験の合格を示す書類(日本語は日本語能力試験N4以上の合格証明書か、国際交流基金日本語基礎テストの判定結果通知書)、分野別の誓約書、協議会などの構成員であることを示す書類 | 介護は介護の日本語試験(介護特定技能評価試験(日本語)。2026年3月実施分までは介護日本語評価試験)の合格証明書も必要。技能実習2号を良好に修了した人は、試験の合格証の代わりに修了を示す書類で足りる場合がある |
出典:入管庁「在留資格「特定技能」」掲載の「特定技能1号」に係る提出書類一覧表(在留資格認定証明書交付申請用、2026年10月確認)をもとに当社作成
ネパール国籍だからといって、日本の申請で追加を求められる書類はありません(2026年10月時点の一覧表)。
その分、前の節で触れたネパール側の手続きを誰がどこまで支えるかを、紹介会社や登録支援機関との役割分担として最初に決めておくことが大切です。
様式番号やつまずきやすい点は特定技能の必要書類と申請手続きの流れ|つまずきやすい7つのポイントに、支援計画書の書き方は1号特定技能外国人支援計画の書き方|様式1-17号の10項目を埋めるにまとめています。
費用の内訳と目安|公表されている数字と負担のルール
特定技能の採用費用は、採用時にかかるものと、雇用している間かかり続けるものに分かれます。
公的な数字が出ている費目は多くありませんが、出ている数字と、誰が負担するかのルールを先に押さえておくと、見積もりを比べやすくなります。
費目 | 支払う時期 | 公表されている数字・ルール |
|---|---|---|
紹介手数料(紹介会社へ) | 契約で定める時期 | 職業安定法に基づき、届け出た手数料表などに沿って受け取る仕組みで、求職者からは原則として受け取れない。受入れ機関への調査では、採用に使ったマッチング媒体(ハローワーク・監理団体・民間の職業紹介事業者・登録支援機関など)への1人あたりの支払額は「支払っていない」が40.9%で最多、払った場合は「10万円以上30万円未満」が26.7%で最多でした(出入国在留管理庁「特定技能制度及び技能実習制度に関する意識調査」(2022年7月))。媒体には監理団体やハローワークも含まれるため、海外から紹介会社を通じて採用する場合の相場とは分けて見てください |
支援委託費(登録支援機関へ) | 毎月 | 1人あたり月額の平均は28,386円で、3万円以下が約9割(2022年9月末時点の暫定値)。法令上の上限はなく、委託契約で額と内訳を明示する必要がある |
在留資格の手数料(収入印紙など) | 許可などを受けるとき | 認定証明書の交付申請は手数料なし。変更・更新は、2026年10月1日以降の申請から許可される在留期間に応じた額で、窓口申請なら1年は33,000円、1年を超え3年未満は48,000円、3年は64,000円(オンライン申請は額が異なり、別に決済手数料がかかる)。納付するのは本人 |
申請書類の作成報酬(行政書士へ) | 依頼時・申請時 | 公的な基準額はない。事務所ごとに見積もりを取る |
渡航費・住居の初期費用など | 入国の前後 | 公的な相場の数字はない。誰が負担するかを雇用条件として決めておく(下記のルールに注意) |
出典:職業安定法第32条の3、入管庁「技能実習制度及び特定技能制度の現状について」(2022年の意識調査・支援委託料の集計を収録)、同「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月)、同「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」
受入れ企業が負担すると決まっている費用
1号特定技能外国人への支援は受入れ企業の義務で、その費用は受入れ企業が負担します。
入管庁の運用要領は、「支援に要する費用」に登録支援機関への委託費用や、事前ガイダンス・相談対応などの通訳費、出入国時の送迎の交通費が含まれるとして、本人に直接・間接に負担させないことを求めています。
本人が帰国の費用を負担できないときは受入れ企業が負担することも省令で定められています。
送出国の法令に渡航費などの負担の定めがある場合もあるため、送出国の法令は駐日大使館に確認するよう案内されています。
本人に負担してもらえる費用の条件
家賃や食費のように、本人が定期的に負担する費用を設けることはできます。
ただし上陸の基準として、本人がその内容を十分に理解して合意していること、額が実費に相当する適正な額であること、明細書などの書面を示すことが求められています。
本人が現地で紹介や準備のために費用を払っている場合は、その額と内訳を本人が十分に理解して合意していることも基準の一つです。
保証金を取ったり、契約を守らなかったときの違約金を定めたりすることは認められません。
見積もりで確かめたいこと
紹介手数料はいくらで、何に対する対価か。短い期間で辞めた場合に手数料の一部を返す制度(返戻金制度)はあるか
支援委託費に、事前ガイダンス・生活オリエンテーション・通訳・空港への送迎が含まれるか。含まれない場合は1回いくらか
在留資格の申請書類を作る行政書士の報酬が、別に必要か
渡航費・住居の初期費用・ネパール側の手続きの費用を、誰がどこまで負担する前提か
費目ごとの考え方は特定技能の採用費用の内訳|なぜ「外国人は安い」がもう通用しないのか、支援委託費の見積書の読み方は登録支援機関の費用相場|月額委託費の内訳と、安い見積書で起きることで詳しく扱っています。
ネパール人材の採用、まずは現状をお聞かせください
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依頼先の選び方|紹介会社・登録支援機関で確かめること
ネパールからの採用では、候補者を紹介する紹介会社(有料職業紹介事業者)と、入社後の支援を担う登録支援機関が関わることが多く、1社が両方を兼ねる場合もあります。
次の5点を確かめると、会社ごとの違いが見えてきます。
1. 現地での日本語教育の中身
候補者がどこで、どれくらいの期間、1日に何時間学んできたのか。教えているのは誰か。
紹介会社が自ら教育に関わっているのか、現地の学校から候補者を受け取っているだけなのかで、答えられる深さが変わります。
試験は簡単ではなく、国際交流基金の報告書によると、2024年5月〜2025年3月にネパール(カトマンズ・ポカラ)で行われた国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格率は、月ごとに24.0%〜40.3%でした。
合格までの教育の組み立てを説明できるかは、大事な判断材料です。学校の形態による違いは海外の日本語学校の実態|全寮制「軍隊形式」と通学制で人材はどう変わるかで紹介しています。
2. 面接の時点での日本語の到達度
特定技能1号では、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語力を基本に、分野ごとに業務で必要な日本語力が求められ、その確認にJFT-Basicか日本語能力試験(N4以上)が使われます。
合格前に内定を出すこと自体は禁止されていませんが、合格しなければ在留資格は得られません。
面接の時点で合格しているかどうかで、採用を決めたあとの日程の確かさが変わります。
受け答えの印象だけで判断せず、JFT-Basicの判定結果通知書や日本語能力試験の合格証明書で到達度を確かめましょう。
面接の進め方はネパール人材の面接で見るべきポイント|「夢を聞く面接」が機能しない理由で整理しています。
3. 費用の内訳の出し方と、候補者が払った費用
見積もりが費目ごとに分かれているか、手数料表を見せてもらえるかを確かめます。
もう一つ大切なのが、候補者本人が現地でいくら払ってきたかです。
本人が現地の機関に払った費用の額と内訳を、本人が理解して合意していることは上陸の基準の一つで、日本とネパールの協力覚書でも、算出の基準を示さず額と内訳を理解させないまま費用を取ることが情報共有の対象になっています。
候補者側の負担の説明があいまいなら、契約の前に確かめておくべき点です。
4. 入社後の支援体制と、申請書類を作る人
登録支援機関には、相談に対応する体制として、可能な限り複数の職員を確保し、1週間あたり勤務日に3日以上・休日に1日以上対応すること、就業時間外にも対応できることが求められます。
定期的な面談は、本人と、本人を監督する立場の人それぞれと、3か月に1回以上行える体制が必要です。ネパール語など本人が十分に理解できる言語で対応できる人が実際にいるか、面談の記録をどう残しているかを聞いてみてください。
支援を自社で行うか委託するかの判断は特定技能の支援は自社と委託のどちらを選ぶか|要件と工数で判断するで扱っています。
あわせて確かめたいのが、在留資格の申請書類を誰が作るかです。
行政書士法は、行政書士(行政書士法人)でない者が、名目を問わず報酬を得て、官公署に出す書類の作成を業として行うことを制限しています(第19条。他の法律に定めがある場合などを除く)。
5. 許可番号・登録番号を公的な名簿で確かめる
有料の職業紹介事業には、厚生労働大臣の許可が必要です。
許可番号は厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で検索でき、手数料に関する事項、返戻金制度の有無、紹介で就職した人の数と、そのうち6か月以内に離職した人の数も確認できます。
先ほどの提出書類一覧表のとおり、紹介会社が間に入った場合は、このサイトの画面を印刷したものを在留資格の申請で出すことになっています(同じ年度にすでに受け入れている場合などは省略できます)。
登録支援機関は、入管庁の「登録支援機関登録簿」で登録番号を確かめられます(2026年10月1日現在で11,638件)。
紹介会社選びの観点はネパール人材紹介会社の選び方|現地視察・手数料・責任の4チェックポイント、登録支援機関の役割は登録支援機関とは|義務的支援10項目・費用・選び方を登録支援機関が解説で詳しく扱っています。
採用したあとの定着|転職できる制度だからこそ
特定技能は、同じ業務区分の中などであれば転職が認められる制度です(受入れ企業を変えるときは在留資格の変更許可が必要)。
採用にかけた時間と費用を生かすには、入社後に「ここで働き続けたい」と思ってもらえるかどうかが鍵になります。
特定技能1号の在留期間は、3年を超えない範囲で個々に指定される期間で(2025年9月30日の省令改正で上限が1年から3年に延びました)、通算の上限は原則5年です。
熟練した技能を試験などで確かめられれば、対象の分野では特定技能2号に移ることができます。
2号には通算の上限がなく、家族の帯同も認められています。
長く働いてもらう前提なら、2号を見すえた育成の見通しを早めに本人と共有しておくと、定着の支えになります。
ネパール人材の定着の考え方はネパール人は本当に辞めにくいのか|送金責任と借金構造から考える定着、職場の外の居場所づくりは外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくり、入国前に整えたい住居や通信の準備は外国人材の受け入れ準備チェックリスト|住居・Wi-Fi・スマホの技適までにまとめています。
G-Star HR Linkの取り組み|日本語を仕上げてから面接へ
最後に、この記事を書いている当社の進め方を紹介します。
G-Star HR Linkは、ネパールに本社をおく人材支援グループ「G-Star」の一員です。
ネパール現地の自社の日本語学校とトレーニングセンターで育てた人材を、日本の企業に紹介しています。
面接の時点で、JFT-Basic A2(JLPT N4相当)を取得済みの候補者が面接に参加します。教育機関での学習期間は4か月〜1年で、平均するとおよそ半年です。
日本語を先に仕上げておくことで、面接後の期間を技能教育に充てられます日本語の試験に主にJFT-Basicを使っているのは、JLPTが年2回の実施で、ネパールでは受験定員も限られ、入国の時期が試験日程に左右されてしまうためです
面接には全件同行し、通訳と文化面のフォローを行います
有料職業紹介事業の許可(22-ユ-300884)と登録支援機関の登録(25登-011561)を受け、入社後の定期面談や通訳などの支援も担います。
在留資格の申請は、提携する行政書士と連携して進めますG-Star Group全体としての日本向け紹介人数は、2025年で252名でした。
分野別では介護の88名が最も多くなっています
費用は在留資格・採用人数・分野によって変わるため、初回の無料相談で個別にご案内しています。
採用したい時期が決まっていれば、そこから逆算したスケジュールもあわせてご提案します。
よくある質問(FAQ)
Q1. ネパールから呼び寄せる場合、内定から入社までどのくらいかかりますか
認定証明書の審査に平均で2か月余り(2026年7月交付分の特定技能1号は64.1日)かかり、その前後に雇用契約や協議会などへの加入といった準備と、査証の申請・ネパール側の手続き(概ね10日間程度とされています)が入ります。
公表されている日数を足すと、内定から入国までは3〜4か月が一つの目安です。
Q2. ネパールの送出機関を通さずに採用できますか
日本の在留資格の手続きでは、ネパールについて送出機関の利用は任意とされ、ネパール側の手続きの証明書を出す必要もありません。
ただし、本人が出国するには、ネパール側で海外労働許可証を取得するなどの手続きが必要です。
送出機関を通す場合の手続きも含め、ネパール側の扱いは変わることがあるため、駐日ネパール大使館で最新の情報を確かめてください。
Q3. 日本に住んでいるネパール人を特定技能で採用できますか
できます。技能試験と日本語試験に合格している、または技能実習2号を良好に修了しているといった要件を満たせば、在留資格変更許可申請で切り替えられます(標準処理期間は1か月〜2か月)。
採用後に本人がネパールへ一時帰国するときは、ネパール側で海外労働許可証の取得が必要とされている点も共有しておきましょう。
Q4. 支援委託費や渡航費を、本人の給与から差し引くことはできますか
支援にかかる費用(登録支援機関への委託費を含む)は受入れ企業が負担するもので、本人に負担させることは認められていません。
空港への送迎の交通費も支援の費用に含まれます。
入国時の渡航費をどちらが持つかは、雇用条件として事前に決めておくと安心です。
帰国の費用は、本人が負担できない場合に受入れ企業が負担することが省令で定められています。
家賃などを本人の負担にする場合は、実費に相当する適正な額で、本人が内容を理解して合意し、明細を示すことが求められます。
Q5. 外食業でネパール人材を採用したいのですが、今からでも可能ですか
2026年4月13日以降に受理された申請では、海外からの新規の受入れはできません(それより前の受理分は、受付日順に交付が進んでいます)。
入管庁は、外食業分野の特定技能について2026年4月13日以降に受理した在留資格認定証明書交付申請を不交付とし、ほかの在留資格から外食業への変更申請も、同日以降に受理したものは原則として許可しない運用をとっています(外食業分野の中での転職などは別の扱いです)。
外食業特定技能1号評価試験も、当面の間、国内外ともに実施されていないため(農林水産省)、ネパールで新たに外食業の試験を受けることもできません。
審査の状況は入管庁のページに随時掲載されているので、計画を立てる前に確かめてください。
まとめ
流れは、分野と業務区分の確認→選考・面接→雇用契約と支援計画→在留資格認定証明書→査証とネパール側の手続き→入国。内定から入国まで3〜4か月が目安です
日本の申請では、ネパールの送出機関の利用は任意です。ただし出国には、海外労働許可証などネパール側の手続きが必要です
公的な数字は、支援委託費の月額平均28,386円(2022年9月末時点)、認定証明書の手数料なし、変更・更新の手数料の改定(2026年10月1日以降の申請)など。支援の費用は本人に負担させません
依頼先は、日本語教育の中身、面接の時点での日本語の到達度、費用の内訳、入社後の支援体制を聞き、許可番号・登録番号を公的な名簿で確かめます
外食業は、2026年4月13日以降に受理された在留資格認定証明書の申請が不交付とされています
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特定技能での採用は、日本側とネパール側の手続きが並行して進むため、どこから手をつければよいか迷うのは自然なことです。
ただ、分野と業務区分を確かめ、入社してほしい時期から逆算して順番を決めてしまえば、やることは一つずつ見えてきます。
当社は、ネパール現地の日本語学校での育成から、紹介、入社後の支援までを一貫して担っています。
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この記事の下にある30分の無料相談やLINEから、お気軽にお声がけください。
本記事の制度に関する記述は、公表されている情報をもとに整理したものです。
最新の省令・運用要領については、必ず出入国在留管理庁等の公式情報をご確認ください。