外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくり

外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくり

採用まではうまくいった。面接での受け答えもよく、日本語も想像以上だった。ところが入社して半年、1年と経つ頃、なんとなく元気がない。小さなミスが増える。そしてある日、突然「国に帰ります」と言われる——受け入れ企業から私たちがもっとも多く聞く相談は、このかたちをしています。現場では「仕事が合わなかったのだろう」と解釈されがちですが、本人に話を聞くと、原因が仕事ではないことが少なくありません。職場と寮を往復するだけの生活が続き、休日に話す相手が誰もいない。この「職場の外」の空白が、じわじわと効いてくるのです。

結論からお伝えすると、外国人材の定着支援は、職場の中の制度設計だけでは完結しません。厚生労働省の指針は「外国人労働者が地域社会における行事や活動に参加する機会を設けるように努めること」と明記し、特定技能1号の義務的支援10項目にも「日本人との交流の促進に係る支援」が入っています。つまり「職場の外」は、善意のおまけではなく、国が制度として企業に求めている領域です。ところが実務では、ここがもっとも手つかずになりやすい。その理由と、埋め方をお伝えします。

この記事を書いているG-Star HR Linkは、ネパール現地に自社の日本語学校とトレーニングセンターを持ち、教育から紹介、定着支援までを一貫して行う人材紹介会社です。浜松では自社運営のカフェを会場に、月1回のネパール人交流会を続けています。公的データで「定着」をどこまで測れるかを整理したうえで、法令が求める土台と、実際にやってみて分かったことをお伝えします。採用の流れはネパール人採用の基本ガイドで解説しています。

外国人材の「定着率」は何で測れるのか

寮の部屋で一人スマートフォンを見る外国人労働者の後ろ姿。職場と寮を往復するだけの生活で進む孤立の情景

施策の話に入る前に、「定着しているかどうか」を何で判断するのかを押さえましょう。ここが曖昧なまま始めると、効果を測れないまま何となく続けることになります。私たちが確認した範囲では、在留資格別に外国人労働者の離職率・定着率を継続的に公表する公的統計はありません。数字で語れる手がかりは、技能実習生の失踪者数くらいです。

失踪は「増えている」のではなく、減っている

出入国在留管理庁の資料によれば、令和6年(2024年)の技能実習生の失踪者数は6,510人で、前年から3,243人の減少(33.3%減)。技能実習生数に占める割合も1.9%から1.2%へ0.7ポイント低下しました。ピークは令和5年の9,753人で、そこから大きく減っているのが現在の姿です(いずれも速報値。出典: 出入国在留管理庁「技能実習生の失踪者数の推移」)。「失踪が深刻化している」という書き方は、公的統計とは逆です。事実に反する前提から施策を組み立てても、良い結果にはなりません。

ただしこの数字には限界が2つあります。1つは技能実習生だけの指標だということ。もう1つは、失踪が「定着しなかった」のもっとも極端な形にすぎないことです。任期を満了して静かに帰国する、他社へ移る——企業にとって痛いのはむしろこちらでしょう。なお勤続年数を代わりに使うのも危険です。在留資格ごとに在留期間の上限が違い、数字の差が努力ではなく制度構造の差になります。

結局、定着は自社で測るしかない

「同業他社と比べてうちの定着は良いのか」を外部データで答えることはできません。お勧めしているのは、次の3つを社内に残すことです。

  • 在籍期間の実績(在留資格別・入社年別に、誰が何年で辞めたか)
  • 辞めた理由の一次情報(本人の言葉で。可能なら母語で、直属の上司以外が聞く)
  • 契約更新・在留期間更新のタイミングで、本人が何を考えていたか

特に2つ目が効きます。日本語での退職面談では「家庭の事情で」としか言わなかった人が、母語で、しかも会社の指揮命令から離れた相手には、まったく違うことを話します。定期面談に通訳を必ず入れているのは、そのためです。

定着支援の土台になる法令と義務的支援10項目

支援担当者と外国人材が書類を挟んで面談している場面。義務的支援10項目にもとづく生活支援の実務

自己流で組み立てる前に、法令が何を求めているかを押さえると抜け漏れがなくなります。「やらされ仕事」ではなく、先人が失敗から学んだチェックリストです。

特定技能1号には、企業が必ず実施する10項目がある

特定技能1号で受け入れる企業(特定技能所属機関)は、1号特定技能外国人支援計画を作り、実施する義務を負います。中身は特定技能基準省令第3条第1項第1号に、イからヌまでの10項目として定められています。

支援の内容省令が求めていること(要約)
事前ガイダンス申請前に、雇用契約の内容・活動内容・在留の条件を説明
出入国する際の送迎港・空港と事業所(住居)の間を送迎
住居の確保・生活に必要な契約の支援住居確保の支援に加え、銀行口座の開設・携帯電話の契約を支援
生活オリエンテーション入国後に、生活一般と本人が行う届出等の手続を説明
公的手続等への同行ニの手続にあたり、必要に応じて関係機関へ同行
日本語学習の機会の提供生活に必要な日本語の学習機会を提供
相談・苦情への対応相談・苦情に遅滞なく応じ、助言・指導等を行う
日本人との交流の促進本人と日本人との交流の促進に係る支援
転職支援本人の責めによらない契約解除時に、次の受入れ先を支援
定期的な面談・行政機関への通報支援責任者等が定期面談し、労働関係法令違反を知れば通報

出典: 特定技能基準省令第3条第1項第1号イ〜ヌ、および出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」をもとに要約。

法令が求めるのは奇をてらったことではなく、生活が立ち上がるまでの当たり前の手当てです。この10項目を丁寧にやるだけで、来日直後の孤立はかなり防げます。

「10項目」を9つと数えてしまう落とし穴

入管庁の運用要領は、この支援を「(1)事前ガイダンスの提供」「(2)出入国する際の送迎」……という節立てで解説しますが、節は9つしかありません。「ホ 公的手続等への同行」が(4)生活オリエンテーションの節の中で説明され、独立した節を持たないためです。目次を数えて「義務的支援は9項目」と書く解説を見かけますが、省令の条文はイからヌまでの10項目。節ではなく号で数えてください。1項目ぶん、静かに抜け落ちます。

費用を本人に負担させてはならない

もう1つ、見落とされやすい原則があります。運用要領はこう明記しています。

特定技能所属機関は、1号特定技能外国人支援に要する費用(本要領に定める「義務的支援」に係るものに限る。)について、直接又は間接に当該外国人に負担させることはできません。

「直接又は間接に」がポイントです。支援費用として請求するのはもちろん、給与から相殺する、寮費に上乗せする形も認められません。ただし及ぶのは義務的支援の範囲で、任意で開く懇親会まで無料にせよという意味ではありません。

すべての外国人労働者に共通する「雇用管理指針」

義務的支援10項目は特定技能1号のルールです。では技能実習生や、技術・人文知識・国際業務、永住者はどうか。ここで効くのが、厚生労働省の「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(外国人雇用管理指針)です。労働施策総合推進法にもとづく告示で、外国人を雇用するすべての事業主が対象。最新版は令和8年厚生労働省告示第227号による改正を反映しています(出典: 厚生労働省「外国人雇用管理指針」)。なお検索で上位に出る厚労省サイト内の古いHTML版は平成19年当時のままで、根拠法の条番号も当時のものです。転記するなら最新の告示本文に当たってください。

指針の性質は努力義務で、違反しても直ちに罰則があるわけではありません。ただ、常時10人以上の外国人労働者を雇用するときは人事課長等を「雇用労務責任者」として選任することが求められ、ハローワークは指針にもとづいて助言・指導を行います。

制度が求めているのに手つかずになりやすい「職場の外」

定着支援の議論は、たいてい職場の中で完結します。しかし法令はそうなっていません。

指針は「地域社会における行事や活動」と明記している

外国人雇用管理指針の第四の五は「適切な人事管理、教育訓練、福利厚生等」という章です。その2番目に「生活支援」という項目があり、原文はこうなっています。

事業主は、外国人労働者の日本社会への対応の円滑化を図るため、外国人労働者に対して日本語教育及び日本の生活習慣、文化、風習、雇用慣行等について理解を深めるための支援を行うとともに、外国人労働者が地域社会における行事や活動に参加する機会を設けるように努めること。

「地域社会における行事や活動に参加する機会を設けるように努めること」。国が事業主に対して、職場の外の話を名指しで求めています。これは福利厚生施設や教育訓練と並ぶ「事業主が講ずべき必要な措置」の一部。日本語教育や相談窓口と同じ棚に置かれています。

義務的支援の「チ」が求めているのは、どこまでか

特定技能1号ではさらに具体的です。省令のチは「当該外国人と日本人との交流の促進に係る支援をすること」とだけ書いていますが、運用要領は義務的支援の中身をこう定めています。

必要に応じ、地方公共団体やボランティア団体等が主催する地域住民との交流の場に関する情報の提供や地域の自治会等の案内を行い、各行事等への参加の手続の補助を行うほか、必要に応じて当該外国人に同行して各行事の注意事項や実施方法を説明するなどの補助を行わなければなりません。

よく読むと、義務として求められているのは「情報の提供」「案内」「参加手続の補助」「同行して説明」です。すでに存在する場へ本人をつなぐところまで。場そのものを作れ、とは書かれていません。多くの企業の支援計画は、この線でぴたりと止まります。地域の祭りのチラシを渡す。自治会の連絡先を教える。それで書類上は「チ」を実施したことになります。

「場そのものを作る」のは、義務の外側にある

では、その先はどうか。運用要領には、義務的支援の隣に「任意的支援」という欄があり、こう書かれています。

1号特定技能外国人が地域社会で孤立することなく、当該外国人と日本人が相互に理解し信頼を深められるよう、特定技能所属機関等が率先して、当該外国人と日本人との交流の場を設けていくよう努めることが望まれます。

「孤立することなく」「率先して」「交流の場を設けていく」。国は、企業が自ら場を作ることを望んでいるとはっきり書いています。ただし望ましいこと(任意的支援)であって、義務ではありません。整理すると、こうなります。

  • すべての外国人労働者について: 地域社会の行事や活動に参加する機会を設けるよう努める(雇用管理指針=努力義務)
  • 特定技能1号について: 既にある交流の場を案内し、参加手続を補助し、必要なら同行する(義務的支援=義務。費用は会社負担)
  • 特定技能1号について: 会社が率先して交流の場を設ける(任意的支援=望まれる)

一番効くところが、一番、義務から遠い。ここが「職場の外」の手つかずになりやすい理由です。監査で指摘されませんし、支援計画の書式に「場を作った」と書く欄もありません。やってもやらなくても書類上は同じに見えます。逆に言えば、ここに差がつきます。

現場で機能した「居場所づくり」

カフェで日本人と外国人が輪になって談笑している月1回の交流会の情景

月1回、カフェを開ける

私たちは浜松でアジア食材店を併設したカフェを運営しており、そこを会場に月1回、ネパール人と日本人の交流会を開いています。招待制で、ネパール人側は留学生と、当社の紹介で浜松の企業で働いている人たち。日本人側は、外国人採用を検討している経営者、すでに受け入れている企業の方、そして「ネパール人と言われてもどんな人か分からない」という素朴な関心で来られる方です。自動車整備、製造業、建設関係、クリーニング業と業種はばらばら。当社が採用に関わっていないネパール人も参加します。マッチング以前に、まず知ってもらう場だからです。

気づいたこともあります。参加するネパール人にとって、この場は職場以外で日本人と話せる数少ない機会になっているようです。働いていると、接する日本人は上司と同僚だけになりがちなのだと思います。評価する人とされる人しかいない世界に、利害のない日本人が入ってくる。この差は想像以上でした。

会社が全額を持っている理由

交流会は完全無料で、費用はすべて当社が負担しています。日本で働く外国人材のなかには、母国へ仕送りをしながら自分の食費をかなり切り詰めている人がいます。全員ではありません。ただ、そういう人がいる前提で作らないと、参加費が1,000円でも来られない人が出る。その時点で「孤立を防ぐ場」ではなくなります。義務的支援の費用を本人に負担させてはならないという原則は、任意のこの場には及びません。それでも筋は同じです。孤立を防ぐ場の入り口に、金額のハードルを置かない。

交流会で採用が決まったことがある

過去の回で、こんなことがありました。参加していた経営者が、あるネパール人と話し込んで「日本語が上手だね」「うちで働かない?」となったのです。ただ、社長の一存で決めると社内に波風が立ちます。そこで人事の方にあらためて会っていただき、通常の選考を通したうえで正式な採用に至りました。後日、別件でその社長と話していたら、こう言われました。交流会で話したときの印象そのままでした、本当に真面目です、と。

要点は「交流会で採用できます」ではありません。面接は、本人が「面接用の自分」を出す場です。一方、モモというネパールの餃子を食べながら雑談している人の人柄には、面接では出てこないものが出ます。

コミュニティに認められるということ

もう1つ、意味が大きかった出来事があります。浜松には、20年以上前から日本で暮らしているネパール人の永住者の方がいます。地元のネパール人コミュニティで長く慕われてきた方で、当社のネパール側代表であるギミレ・マニスのことも「あいつらが日本に来たときから知っているよ」と言う存在です。その方が交流会に来てくださって、「この会はいいね」と言ってくださいました。

ただの感想かもしれません。しかし、地域のコミュニティで長く信頼されてきた人が「この場はいい」と認めるかどうかは、その場が続くかどうかを分けます。日本企業が「外国人のために場を作りました」と掲げても、当事者のコミュニティが冷ややかであれば人は来ません。定着支援は、会社と本人の1対1では完結しないのです。本人の背後には必ずコミュニティがあり、場が本物かを判定しているのは人事部ではなくそちら側です。人柄や価値観はネパール人の国民性と性格で触れています。

なお、この話を商談ですると、かなりの確率で「うちの地域でもやってほしい」と言われます。企業が気にしているのは、まさに孤立だからです。月1回カフェを開けるという大掛かりでもない取り組みが、それだけ求められているということでもあります。

自社で定着支援を始めるときの設計

まず、自社の構造を確認する

静岡県は、外国人材の受け入れという意味で特徴のある県です。静岡労働局によれば、令和7年10月末時点で県内の外国人労働者は88,968人(前年比9.1%増)。うち労働者派遣・請負事業を行う事業所に就労している人は31,193人で、全体の35.1%。この割合は滋賀県に次いで全国2位です(出典: 静岡労働局「静岡県の『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末現在)」)。ただし読み方には、労働局自身が注記を付けています。

労働者派遣事業等を行っている事業所に就労している外国人労働者のすべてが派遣労働者等であるとは限らず、事務や通訳などの正社員等として直接雇用される外国人労働者も含まれる

つまり「静岡県の外国人の35%は派遣労働者」ではありません。ここを誤読した記事をよく見かけるので、社内資料に転記するときは注意してください。

それでも、派遣・請負の比率が高い地域であることは事実です。この働き方では、実際に働く現場と雇用主が分かれます。すると「誰が本人の生活まで見るのか」が曖昧になる。現場は「うちの社員ではないから」と考え、雇用主は現場にいない。この隙間に人が落ちます。雇用管理指針が労働者派遣・請負に独立した項目を設けているのはこのためで、請負を行う事業主には、就業場所内で雇用労務責任者等に人事管理や生活支援の職務を行わせること、と明記されています。困りごとを誰が拾うのかを、名前のレベルで決めてください。

小さく始めて、続ける

孤立は、来日から時間が経って起きるのではありません。最初の数週間で、その後の形がだいたい決まります。とはいえ、いきなりイベントを立ち上げるのは重いでしょう。順番としては、こう考えます。

  1. まず、義務の線を確実に踏む。特定技能1号なら10項目を、それ以外の在留資格でも指針の内容を自社の実態と突き合わせる。穴があるなら交流会より先にそちらです
  2. 次に、既にある場につなぐ。指針も義務的支援も、まずこれを求めています。自治体の国際交流協会、地域の祭り、日本語教室。情報を渡すだけでなく、最初の1回は誰かが一緒に行く。これで「同行」もクリアできます
  3. そのうえで、自社で場を作れないか考える。月1回、就業後に会議室で母国の料理を持ち寄る。それだけでも成立します

大事なのは規模ではなく、頻度と継続です。年1回の盛大なイベントより、月1回の地味な集まりのほうが効きます。孤立は毎日進行するからです。運用要領も、交流の促進は「年間を通じて行うことが望まれる」としています。

離職防止のために、やらないほうがいいこと

最後に、良かれと思ってやったことが裏目に出やすいものを挙げておきます。

  • 参加を業務命令にしない。強制された交流は休息を奪うだけです。運用要領も、本人が参加を希望する場合の有給休暇の付与や勤務時間への配慮を「望まれる」としており、参加させる前提ではありません
  • 「日本語の練習の場」にしない。目的が学習になった瞬間、そこは職場の延長になります
  • 一度きりで評価しない。1回目は誰も打ち解けません。当社の交流会でも、最初はみんな緊張しています
  • 日本人を排除しない。「外国人のための場」にすると、職場の外の日本人と出会うという肝心の機能が失われます

採用そのものを見直す段階なら、紹介会社の選び方から確認する価値があります。定着支援を契約に含めているかは会社によって大きく違うためです。判断基準はネパール人材紹介会社の選び方に、採用のメリットと難しさの両面はネパール人採用のメリット・デメリットにまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 交流会のような取り組みは、法律上の義務なのですか?

段階があります。特定技能1号については、既にある交流の場を案内し、参加手続を補助し、必要に応じて同行するところまでが義務的支援(省令第3条第1項第1号チ)です。会社が自ら場を設けることは、運用要領上「任意的支援」として「望まれる」と位置づけられ、義務ではありません。一方、特定技能に限らず全外国人労働者について、厚労省の指針が「地域社会における行事や活動に参加する機会を設けるように努めること」としています。こちらは努力義務。案内までは義務、場づくりは推奨です。

Q2. 定着のためには、給与を上げるのが一番効くのではないですか?

待遇が日本人と同等以上であることは特定技能の法令要件でもあり、大前提です。そのうえで、賃金だけで勝負すると、より高い賃金を提示する会社が現れた時点で終わります。実際に私たちが本人から聞く離職の理由は、賃金より「相談できる人がいない」「休日にすることがない」が先に出てくることが少なくありません。賃金は必要条件ですが、十分条件ではないというのが実感です。採用費用の全体像は、この記事の最後に挙げた関連記事で整理しています。

Q3. 支援を登録支援機関に全部委託しています。それでも自社で何かする必要がありますか?

委託は認められた選択肢で、登録支援機関に全部の実施を委託した場合、企業は支援計画の適正な実施の確保に関する基準に適合するものとみなされます。ただ、委託先が実施するのは支援計画に書かれた内容であり、そこに「会社が率先して交流の場を設ける」ことは通常含まれません。本人が日々接しているのも、委託先ではなく自社の現場です。「困ったら支援機関に電話を」だけだと、電話するほどではない小さな違和感が溜まり、ある日まとめて出てきます。現場に「本人の様子が分かる人」を一人置いてください。

Q4. 日本人社員から「外国人だけ特別扱い」と言われないでしょうか?

指針が求める生活支援は、日本人であれば説明不要なこと(役所の手続き、銀行口座、ゴミの出し方)を補うものであって、待遇面の優遇ではありません。むしろ指針は、評価や賃金決定、配置といった人事管理の運用について透明性・公正性を確保するよう求めています。交流会も「外国人向け」ではなく「両方が参加する場」として設計すれば、この懸念はかなり和らぎます。

まとめ

  • 「定着率」を示す公的統計は見当たらない。技能実習生の失踪は令和6年に6,510人・前年比33.3%減、割合も1.2%へ低下。「深刻化している」という前提は事実に反する
  • 外部データで自社の定着は測れない。在籍期間と「辞めた理由の一次情報」を自社に残すしかない。後者は、母語で上司以外が聞くと中身が変わる
  • 特定技能1号の義務的支援は省令のイ〜ヌの10項目。運用要領の節は9つなので、節で数えると1項目抜ける。費用は直接・間接を問わず本人に負担させられない
  • 厚労省の指針は全外国人労働者について「地域社会における行事や活動に参加する機会を設けるように努めること」と明記。「職場の外」は国が求める領域
  • ただし「場そのものを作る」のは義務ではなく「望まれる」領域。だから手つかずになりやすく、だからこそ差がつく。規模より、頻度と継続

次に読むべき記事:

採用がゴールではなく、活躍がゴールです

ここまでお読みいただいて、「うちの会社にできるだろうか」と感じられたかもしれません。月1回カフェを開けるという当社のやり方が、すべての会社に合うとは思っていません。規模も、受け入れている人数も、地域も違います。ただ、どんな会社でも、本人が職場と寮を往復するだけの生活になっていないか、休日に話す相手がいるかを一度確認する価値はあります。それは制度の話ではなく、来年もその人が隣にいるかどうかの話だからです。

私たちG-Star HR Linkは、「採用はゴールではなく、採用企業で人材が活躍することがゴール」という考え方で、ネパール現地の自社日本語学校での教育から、紹介、在留資格の申請、入社後の定着支援までを一貫して担っています。すでに他社経由で受け入れている人材のことでも、これから検討を始める段階でも構いません。浜松の交流会も、当社の紹介で来日した方に限らず参加いただけます。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。