浜松で外国人材を採用するには|製造業の街の人材事情と地元紹介会社の使い方

浜松で外国人材を採用するには|製造業の街の人材事情と地元紹介会社の使い方

浜松で外国人採用を考え始めると、まず耳にするのが「浜松は外国人が多い街だから」という言葉です。実際そのとおりで、浜松市の外国人住民は31,485人、市の総人口774,894人の4.06%を占めます(出典: 浜松市「区別・町字別世帯数人口一覧表」令和8年7月1日現在・住民基本台帳)。25人に1人が外国人という計算です。ところが、いざ採用に動き出すと「多いはずなのに採れない」という壁にぶつかる企業が少なくありません。この違和感は、気のせいではありません。

浜松の外国人比率4.06%という数字は、これから採用できる人材プールの大きさを意味していません。公的統計が示すのは、浜松の外国人の多くが「いま働きに来ている人」ではなく「何十年も前に来て、すでに家族と暮らしている人」だという構造です。そして、いま静岡で最も速く増えている国籍は、この街の顔として知られてきた国とは別の国です。この記事では、浜松の人材事情を公的データで分解し、浜松市の補助金・認定制度という地域資源の使い方と、地元の紹介会社を使う意味を整理します。

この記事を書いているG-Star HR Linkは、浜松市中央区に拠点を置き、ネパール現地の自社日本語学校で育てた人材の紹介と定着支援を行っている会社です。代表の岡本は浜松市の出身で、この街の外国人雇用を長く現場で見てきました。以下は自社の宣伝ではなく、浜松で外国人採用を検討する企業がまず押さえるべき事実を出典つきでお渡しするものです。

数字で見る浜松の外国人労働者

工場と住宅が混在する地方都市の俯瞰。ハローワーク浜松管内の外国人労働者27,102人が働く製造業の街の情景

まず、浜松でどれだけの外国人が働いているのかを押さえます。最初につまずきやすいポイントがあるので先に共有させてください。

「浜松市の外国人労働者数」という統計は、実は存在しない

外国人労働者の数は厚生労働省への届出で集計されますが、公表はハローワークの管轄単位で、市区町村単位では出てきません。つまり「浜松市の外国人労働者は何人」という公的な数字は存在しません。使えるのはハローワーク浜松管内の数字で、これは市域と一致しません。

そのハローワーク浜松管内では、外国人労働者が27,102人、外国人を雇用する事業所が3,011所。静岡県全体(88,968人/10,967所)のそれぞれ30.5%、27.5%にあたり、県内の外国人労働者の約3割が浜松管内に集中しています(出典: 静岡労働局「静岡県の『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」令和7年10月末現在)。

もうひとつ紛らわしいのが、「外国人労働者数」(厚労省・届出ベース・10月末)と「在留外国人数」(入管庁・在留ベース・12月末)がまったく別の統計だということです。静岡県は労働者数では全国7位、在留者数では全国8位と順位すら違います。引用時はどちらの統計かを必ず確認してください。

人数ではなく「割合」で見ると、街の姿が変わる

外国人労働者を人数だけで見ると、話はどうしても東京・大阪・名古屋といった大都市圏が中心になります。しかし採用の現場感覚に近いのは「その街で何人に1人が外国人か」という割合です。浜松市の4.06%が意味を持つのは、この視点で見たときです。ただしその中身を国籍別に見ると、多くの方のイメージとは違う姿が出てきます。

順位国籍人数
1ブラジル9,524人
2ベトナム4,882人
3フィリピン4,709人
4中国・台湾2,423人
5インドネシア1,875人
6ペルー1,796人
7韓国又は朝鮮1,035人
8ネパール684人
その他(9位以下の全国籍)3,235人
合計30,163人

出典: 浜松市「国籍別外国人数」(令和6年12月31日現在)。国籍別の内訳はこの時点が最新のため、上記の比率算出に用いた令和8年7月1日現在の外国人住民数(31,485人)とは基準日が異なります。

浜松は、ブラジル・ベトナム・フィリピンの街です。ネパールは684人で市内8位。私たちはネパール専業の会社ですが、「浜松はネパール人材の集積地です」とは口が裂けても言えません。それが公的統計の示す事実です。ではなぜ浜松でネパール人材の紹介を続けているのか——答えは記事の後半で数字とともにお示しします。

なぜ浜松の外国人採用は特殊なのか

製造ラインで日本人と外国人の作業者が並んで働く場面。大手製造業が集積する浜松の職場

大手製造業が集積した、職の多い地方都市

浜松は「地方都市」と一括りにできない例外的な街です。一般に地方は「人がいない」場所ですが、浜松と静岡は地方都市の割に人口が多く、大手企業・上場企業が集まっています。しかも製造業が中心で工場が多い。結果としてブルーカラーからホワイトカラーまで多様な層の会社が揃い、働く人にとっては職を見つけやすい環境ができあがっています。全国の地方を回っている岡本も、浜松の環境はかなり特殊だと言います。

この実感は統計とも符合します。静岡県の外国人労働者を産業別に見ると製造業が最多で36.7%、事業所ベースでも26.8%で最多です(出典: 同上)。製造業の街という自己認識は数字に裏づけられています。

浜松の外国人は「働きに来た人」ではなく「住んでいる人」

ここが、この記事で最もお伝えしたい構造です。静岡県の外国人労働者を在留資格別に見ると、「身分に基づく在留資格」が39,296人で全体の44.2%を占め、この比率は全国1位です。永住者・定住者・日本人の配偶者等など、就労に制限がなく生活の本拠が日本にある人たちを指します。国籍別に分解すると、偏りはさらに際立ちます。

国籍労働者数身分に基づく在留資格技能実習資格外活動(留学生等)
ブラジル18,686人99.3%0.0%0.0%
フィリピン15,462人71.3%19.4%0.3%
ベトナム17,224人5.8%42.6%7.4%
ネパール5,957人3.4%4.2%60.2%
全国籍計88,968人44.2%20.5%10.4%

出典: 静岡労働局「静岡県の『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」(令和7年10月末現在)別表1より作成。

ブラジルの99.3%、フィリピンの71.3%が「身分に基づく在留資格」です。内訳はブラジルが永住者52.0%・定住者38.3%、フィリピンが永住者35.3%・定住者26.9%・日本人の配偶者等6.9%。つまり浜松の外国人人口の主力は、これから採用できる新規の人材プールではなく、すでに何十年も前に来日して家族と生活基盤を築いた人たちです。すでに働いている、あるいは働く場所を自分で選べる人たちであり、「外国人比率が高いこと」と「採用しやすいこと」は別の話になります。

フィリピンの定住者が多い背景を、岡本はこう見ています。かつて歌手やダンサーなどのパフォーマーに与えられる在留資格「興行」(現在もある在留資格です)で来日した人が非常に多く、その人たちが日本で家庭を持ち、定住していった名残が今の姿だ、と。ブラジルはより明確に出稼ぎから始まり、移民に近い形で定住したケースが多いとも言います。この歴史的経緯そのものは公的統計で直接裏づけられるものではなく、地元で長く現場を見てきた人間の見立てとして受け取ってください。ただ、上の表が示す構成——永住者・定住者・日本人の配偶者等が積み上がった形——は、この見立てと矛盾しません。国籍ごとの考え方の違いはネパール人とベトナム人の採用比較|構造の変化から考える国の選び方もあわせてご覧ください。

浜松管内は、外国人労働者の半分が派遣・請負事業所で働いている

もうひとつ、浜松固有の事情があります。静岡県では労働者派遣・請負事業を行っている事業所に就労している外国人労働者が31,193人(全体の35.1%)で、この比率は全国2位(1位は滋賀県)。ハローワーク浜松管内では13,696人、実に50.5%に達します。

ただし静岡労働局の注記を落としてはいけません。労働局は「労働者派遣事業等を行っている事業所に就労している外国人労働者のすべてが派遣労働者等であるとは限らず、事務や通訳などの正社員等として直接雇用される外国人労働者も含まれる」と明記しています。つまり「浜松の外国人の半分は派遣労働者だ」と読むのは誤りで、正しくは「派遣・請負事業を行う事業所に就労している人が半分」。それでも、直接雇用でない働き方の層が他地域より厚い傾向は読み取れます。受け入れ設計は製造業の外国人採用|在留資格3種の現実解と定着の設計をご覧ください。

「人手不足だから外国人を」が通じない理由

「浜松は人手不足だから外国人を採ろう」という説明は、数字で見ると素直に成立しません。正直に書いておきます。

浜松の有効求人倍率は、全国より低い

令和8年5月のハローワーク浜松管内の有効求人倍率は1.06倍(実数値)で、前年同月から変化なし。同月の全国は1.17倍(季節調整値)です(出典: 静岡労働局「ハローワーク浜松管内の労働市場の状況」令和8年5月分/厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年5月分)。静岡県は就業地別1.20倍・受理地別1.09倍(季節調整値)。

実数値と季節調整値は直接比較できないので「浜松は全国より人手が余っている」と結論づけることもできません。少なくとも言えるのは、「浜松は求人倍率が突出して高いから人が採れないのだ」という説明は成り立たないことです。同じ月の新規求人倍率は2.00倍で、前年同月から0.13ポイント上昇。求人1件あたりの求職者は減っており、採用競争が前年より厳しくなっていることは読み取れます。

倍率は普通なのに、採れない

浜松の実像はここにあります。同じ月の月間有効求職者数は12,481人。求職者がいないわけではありません。それなのに充足率は10.0%(前年同月比0.8ポイント低下)、パートタイムを除く一般の求人に限ると7.0%まで下がります(同1.1ポイント低下)。新規求人のうちその月に埋まったのは10件に1件、正社員的な求人では14件に1件です。

これは月単位の充足状況を示す指標なので「9割が永久に埋まらない」という意味ではありません。それでも前年より低下している事実は重い。求人倍率という「量」ではなく、募集と応募が噛み合っていない「構造」の問題と読むのが自然です。大手製造業を含む多様な選択肢が同じ街に揃っているため、中小企業は常に強い競合と並んで比較される——これが浜松の採用の実態です。

「製造業の街」なのに、求人が最も多いのは医療・福祉

もうひとつ意外な事実を。令和8年5月のハローワーク浜松管内の新規求人数を産業別に見ると、最多は医療・福祉の1,332人で、製造業666人の約2倍。建設業698人も製造業を上回ります。浜松の代名詞である輸送用機械器具製造業は213人で、前年同月比9.7%減。静岡県全体でも、外国人労働者の対前年増加率が最も高いのは医療・福祉の29.4%増です。「製造業の街だから製造業の外国人採用を」という発想は、街の実像の半分しか見ていないかもしれません。

浜松市の補助金と外国人材支援制度を使う

浜松は多文化共生の政策的な蓄積が厚い街で、企業が使える制度が実際に用意されています。地域資源として押さえておく価値があります。

浜松市外国人材雇用事業所支援事業費補助金——対象は限定されている

最初に大事な注意点を。この補助金は「外国人を雇えば使える」ものではありません。令和8年度の対象は新たに雇用する高度外国人材・介護人材に限られます。高度外国人材とは在留資格「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「研究」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」の人、介護人材とは「介護」および介護福祉士の登録を受けた「特定活動(EPA)」の人です。技能実習生や、製造業などで働く特定技能外国人はこの定義に含まれていません。

項目内容
住宅確保にかかる事業社宅の賃料(上限6か月分)。外国人材1人あたり最大15万円、1者あたり最大150万円
定着支援にかかる事業通訳・翻訳・各種研修・日本語学習の謝金や委託料等。1者あたり最大20万円
補助率2分の1(千円未満は切り捨て)
主な要件市内に主たる事業所がある/申請年度またはその前年度中に新たに雇用/雇用期間1年以上/本人が市内在住かつ勤務先も市内/市税を完納
申請期限事業開始の1か月前まで。持参は令和8年12月25日午後5時、郵送は令和8年12月31日必着

出典: 浜松市「浜松市外国人材雇用事業所支援事業費補助金」(令和8年度・2026年5月12日更新)。

敷金・礼金・仲介手数料や、家具・家電などの備品購入費は対象外です。社宅を借りて家電を揃える場合、賃料は対象でも家電代は出ない——見落としやすい線引きです。窓口は公益財団法人浜松国際交流協会(電話 053-458-2170)。自社のケースが対象かは、申請前に問い合わせるのが確実です。

浜松市外国人材活躍宣言事業所認定制度

補助金とは別に、認定制度もあります。要件は、申請する日の属する年度の4月1日現在で1年以上浜松市に所在していること、外国人材を1名以上雇用し安心・安全に働ける就労環境づくりと活躍促進に努めていること、労働関係法令および出入国関係法令等に違反がないことの3点。認定されると市の発注業務での優遇措置、ビジネスサポート資金の優遇、日本語学習支援補助金の上限額引き上げなどのメリットがあります。すでに外国人材を雇用していれば要件を満たす可能性があり、市の仕事を受けている企業には実利のある制度です。問い合わせは浜松市企画調整部国際課(電話 053-457-2359)。

困ったときの窓口と、浜松という街の背景

入社後に生活面のトラブルが起きたときは、浜松市多文化共生センター(電話 053-458-2170)が多言語での生活相談、心の悩みカウンセリング、災害時の多言語支援などを提供しています。自社だけで抱え込まず、公的窓口を早めに使ってください。

こうした制度が揃っているのは偶然ではありません。浜松市は2017年10月に、アジア初の都市として欧州評議会のインターカルチュラル・シティ・プログラム(ICC)に加盟しています。住民の多様性を脅威ではなく好機と捉え、まちの活力の源泉とする都市政策の国際ネットワークです。静岡県も2025年8月に日本の都道府県として初めてICCに加盟し、令和8年6月4日には静岡県インターカルチュラル賛同事業所認証制度が創設されました。行政の理解と手数が揃っていることは、浜松で採用する企業にとって他地域にはないアドバンテージです。

地元の紹介会社を使うという選択

商店街のアジア食材店の店先。浜松に根づいた外国人コミュニティの生活の情景

静岡でいま最も速く増えている国籍

ここまで、浜松の外国人人口の主力が「すでに定住している人たち」であることを見てきました。では、これから新しく採用する場合はどこを見ればいいのか。静岡県の外国人労働者を国籍別に5年並べると、街の顔が塗り替わりつつあることが見えてきます。

国籍令和3年令和7年5年間の変化
ブラジル19,749人18,686人減少(0.95倍)
ベトナム11,750人17,224人1.47倍
フィリピン12,928人15,462人1.20倍
インドネシア2,749人7,950人2.89倍
ネパール1,972人5,957人3.02倍
ミャンマー1,325人4,963人3.75倍
外国人労働者総数66,806人88,968人1.33倍

出典: 静岡労働局「静岡県の『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」(令和7年10月末現在)参考-4より作成。各年10月末現在。

県内の外国人労働者が全体で1.33倍になる間に、ブラジルは減り、ネパールは約3倍、ミャンマーは約3.8倍に。直近1年の増加率でも上位はミャンマー32.9%増、インドネシア29.2%増、ネパール28.5%増です。全国でも同じ傾向で、ネパールの在留者は300,992人で国籍別5位、前年比29.2%増(出典: 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」)。外国人労働者としても235,874人で4位、25.7%増です(出典: 厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」令和7年10月末時点)。追い風は本物です。

ただし、浜松のネパール人材はまだ多くない

とはいえ、伸び率が高いことと、いますぐ採用できる人が地元にいることは別です。静岡県のネパール人労働者5,957人のうち、60.2%は「資格外活動」——つまり留学生のアルバイトです(うち「留学」が48.3%。資格外活動許可の確認手順は在留カードの確認方法と不法就労助長罪|知らずに雇った企業も罰せられるを参照)。フルタイム就労にあたる「専門的・技術的分野の在留資格」は31.7%、実数で1,888人にとどまります。特定技能ではさらに少なく、静岡県のネパール人は303人(県内7位・2.6%)、浜松市に至っては30人。静岡県の特定技能1号11,533人の主役は、ベトナム(42.7%)とインドネシア(23.1%)です(出典: 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」令和7年12月末現在)。

だからこそ、留学生からの切り替えに商機がある

この数字は、裏返せばチャンスの所在を示しています。静岡県内には、すでに日本語を学び、日本での生活に慣れ、アルバイトで日本の職場も経験しているネパール人留学生が約2,900人います。彼らが卒業時に選ぶ進路——「技術・人文知識・国際業務」や特定技能への切り替え——は、これから本格化する市場です。浜松がネパール人材の集積地になるとしたら、それはこれからの話。いま動く企業は、競合が少ない状態で関係を作れます。

何かあったときに、来られる距離にいるか

岡本が地方の企業から繰り返し聞くのは、「東京の会社から採用しようとすると、何かあったときに遠い」という声です。外国人採用は情報量の差がそのまま結果の差になる領域で、気軽に聞ける相手が近くにいるかは想像以上に大きな要素です。

もうひとつ、地元の会社にしか持てないものがあります。地域コミュニティとの接点です。当社が浜松で運営するAsian Mart & Cafeでは月1回、ネパール人と地元企業の方が集まる交流会を開いています。来るのは当社が紹介した人材だけではなく、留学生も他社で働く人もいます。浜松のネパール人コミュニティで20年以上慕われてきた永住者の方に認めていただいている場でもあり、こうした関係は東京から通って作れるものではありません。この場が浜松にあること自体が、この街の地域資源です。

孤立を防ぐ仕組みの設計は外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくりに、紹介会社の見極め方はネパール人材紹介会社の選び方|現地視察・手数料・責任の4チェックポイントに、費用の内訳は特定技能の採用費用の内訳|なぜ「外国人は安い」がもう通用しないのかにまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 浜松は外国人が多い街なので、採用は簡単ではないのですか?

「外国人が多い」ことと「採用しやすい」ことは別です。浜松市の外国人比率は4.06%ですが、静岡県の在留資格構成を見るとブラジルの99.3%、フィリピンの71.3%が永住者・定住者などの「身分に基づく在留資格」で、すでに生活基盤を持ち、働く場所を自分で選べる人たちです。海外から新規に採用する場合は別の設計が必要です。

Q2. 浜松市の補助金は、技能実習生や特定技能の受け入れでも使えますか?

令和8年度の浜松市外国人材雇用事業所支援事業費補助金は、対象が新たに雇用する高度外国人材(「高度専門職」「技術・人文知識・国際業務」など6つの在留資格)と介護人材(「介護」「特定活動(EPA)」)に限定されています。製造業などで働く一般的な技能実習生・特定技能外国人は含まれていません。個別のケースが対象になるかは、公益財団法人浜松国際交流協会(053-458-2170)にご確認ください。

Q3. 浜松の有効求人倍率は高くないのに、なぜ人が採れないのでしょうか?

令和8年5月のハローワーク浜松管内の有効求人倍率は1.06倍で、月間有効求職者数も12,481人います。それでも同月の充足率は10.0%(一般では7.0%)で前年より低下。倍率という「量」ではなく、募集と応募が噛み合っていない「構造」の問題です。大手製造業を含む多様な選択肢が同じ街に揃っているため、中小企業は常に強い競合と並んで比較されます。

Q4. 浜松ならネパール人材が採用しやすいのでしょうか?

いいえ。浜松市のネパール人は684人で市内8位、特定技能では30人です。「浜松はネパール人材の集積地」という説明は事実に反します。一方で静岡県のネパール人労働者はこの5年で約3倍に増え、直近も28.5%増で県内3位の伸び。県内には約2,900人のネパール人留学生がアルバイトで働いており、卒業後の切り替えはこれから本格化します。「すでに多い」ではなく「これから伸びる」が正確な現状です。

まとめ

  • 「浜松市の外国人労働者数」という統計は存在しない。使えるのはハローワーク浜松管内の27,102人(県全体の30.5%)で、市域と一致しない
  • 浜松市の外国人比率4.06%の主力はブラジル・ベトナム・フィリピン。静岡県ではブラジルの99.3%、フィリピンの71.3%が「身分に基づく在留資格」=すでに定住している人たち。比率の高さは新規採用のしやすさを意味しない
  • 有効求人倍率1.06倍は全国1.17倍を下回る。それでも充足率は10.0%(一般7.0%)で前年より低下。「量」ではなく募集と応募が噛み合わない「構造」の問題。求人が最多なのは製造業ではなく医療・福祉
  • 浜松市の補助金は対象が高度外国人材・介護人材に限定。認定制度には市の発注業務での優遇があり、アジア初のICC加盟都市として行政の手数も揃っている
  • ネパール人材は市内8位の684人でまだ少ないが、静岡県内で5年3.02倍・直近28.5%増と最速級の伸び。県内約2,900人の留学生からの切り替えはこれからの市場

次に読むべき記事:

浜松の数字を知ったうえで、次の一手を考える

ここまでお読みいただいて、「浜松は外国人が多いから何とかなる」という漠然とした期待は手放していただけたのではないかと思います。同時に、この街には他地域にない条件が揃っていることも見えてきたはずです。行政の理解と制度、多様な国籍のコミュニティ、そして最も速く伸びている国籍がこれから本格化するという時間差。数字を把握したうえで動く企業には、まだ十分な余地があります。

私たちG-Star HR Linkは、浜松市中央区に拠点を置き、ネパール現地の自社日本語学校で育てた人材の紹介から在留資格申請、入社後の定着支援までを担っています。「浜松はネパール人材の集積地です」と申し上げるつもりはありません。むしろ、まだ少ないからこそ丁寧にやれることがあると考えています。自社ではどの在留資格が現実的か、補助金の対象になるのか、そもそも外国人採用が最適解なのか——そうした入口の段階のご相談でも構いません。お問い合わせフォームからご連絡ください。同じ市内ですので、ご希望があれば直接伺ってお話しします。