
「特定技能で外国人を採用すると、結局いくらかかるのか」——この問いに正面から答えている資料は、実は驚くほど多くありません。検索すれば「初期費用◯◯万円」「月額◯◯万円」といった相場表がいくつも出てきますが、前提も内訳も会社ごとにばらばらで、並べても比較になりません。実際、複数社から見積書を取り寄せたものの、項目の切り方が揃わず比べようがなかった、というご相談は珍しくありません。
外部に支払う費用について国が金額を公表しているのは、「登録支援機関への支援委託料は1人あたり月額平均28,386円」という1点だけです。初期費用も紹介手数料も、公的な相場データそのものがありません。そのうえで全部を積み上げて総額で見ると、外国人材はもう「安く雇える労働力」ではなくなっています。この記事では、公的データで裏の取れる金額と取れない金額をはっきり分けたうえで、費用の全体像を組み立て直します。
この記事を書いているG-Star HR Linkは、ネパール現地に自社の日本語学校とトレーニングセンターを持ち、教育から紹介、在留資格申請、入社後の定着支援までを一貫して行っている人材紹介会社です。制度・法令に関する記述は、当社で在留資格申請を担当する行政書士の監修を受けています(行政書士監修)。自社を安く見せるための記事ではありません。社内で予算を通し、「この採用は割に合うのか」を判断するための材料としてお使いいただければ幸いです。
特定技能の採用費用の全体像——外国人採用のコストは3つの層で見る

費用の話がかみ合わない最大の原因は、性質の違う支出が「初期費用」の一語にまとめられることです。まずは3つの層に分けてください。この物差しがあれば、どの会社の見積書も同じ土俵で読めます。
①初期費用・②毎月かかる費用・③随時発生する費用
①は入社までに原則1回だけ発生するもの、②は在留期間中ずっと出ていくもの、③は予測が立てにくいものです。②は月額が小さく見えても在留期間の全体に掛かるため、総額では①を上回ることがよくあります。
| 層 | 主な費用項目 | 発生タイミング | 公的な金額データ |
|---|---|---|---|
| ①初期費用 | 紹介手数料/在留資格申請の取次費用/渡航費/住居の初期費用・家具家電/事前ガイダンス・健康診断 | 採用決定〜入社まで(原則1回) | なし |
| ②毎月かかる費用 | 報酬(給与)・社会保険料/支援委託費/建設分野はJACの受入負担金 | 在留期間中ずっと | 支援委託費のみ(月額平均28,386円)。報酬は賃金統計で別途公表 |
| ③随時発生する費用 | 一時帰国の渡航費/帰国旅費(本人が負担できない場合)/在留期間更新の申請費用/退職・転職時の対応 | 不定期 | なし |
出典: G-Star HR Link作成。「公的な金額データ」欄は、出入国在留管理庁・厚生労働省の公表資料に金額の集計値があるかどうかで判定。
公的に金額が分かるのは、実は1か所だけ
表の右端の列に、この記事の出発点があります。外部に支払う費用のうち、国が金額を集計して公表しているのは支援委託費だけです。紹介手数料にも渡航費にも住居の立ち上げ費用にも、公的な相場はありません(介護分野の調査例は後述します)。調べ方が足りないのではなく、そもそも取られていないのです。ですからウェブ上の初期費用の相場表は、大半が各社の自己申告か書き手の推定だと考えておくのが安全です。
「登録支援機関の費用相場は公開されている」は誤りです
ここはよく誤解されるので、はっきり書いておきます。登録支援機関には、費用を公開する制度がありません。出入国在留管理庁は「登録支援機関登録簿」を公表しており、2026年7月9日現在で11,448件が登録されています。ただし記載されるのは①登録番号②登録年月日③氏名又は名称④住所⑤代表者氏名⑥支援を行う事務所⑦支援業務の内容及びその実施方法⑧支援業務を開始する予定年月日⑨相談に応じる体制の概要(対応可能言語)⑩備考——の10項目で、費用を書く欄そのものがありません(出典: 出入国在留管理庁「登録支援機関登録簿」)。各社がいくらで受託しているかを一覧で比較する手段は、公式には存在しないのです。
支援委託費はいくらか——登録支援機関の費用で唯一の公的データ
支援委託費は、特定技能で唯一、国が金額を集計して公表している費用です。数字を押さえたうえで、その性格を見ていきます。ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
平均は月額28,386円、最も多い価格帯は2万円超〜2万5,000円以下
出入国在留管理庁の資料によると、特定技能外国人1人あたりの支援委託料(月額)の平均金額は28,386円で、30,000円以下が約90%を占めます。
| 1人あたりの月額支援委託料 | 外国人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 5,000円以下 | 600人 | 0.9% |
| 5,000円超〜10,000円以下 | 4,515人 | 6.4% |
| 10,000円超〜15,000円以下 | 6,665人 | 9.5% |
| 15,000円超〜20,000円以下 | 17,781人 | 25.3% |
| 20,000円超〜25,000円以下 | 18,434人 | 26.2% |
| 25,000円超〜30,000円以下 | 14,322人 | 20.3% |
| 30,000円超 | 8,087人 | 11.5% |
| 合計 | 70,404人 | 100.0% |
出典: 出入国在留管理庁「技能実習制度及び特定技能制度の現状について」(技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 資料3)p.32。令和4年9月末に在留する特定技能外国人を対象に、その「特定技能1号」の直近の許可に係る申請において登録支援機関に有償で委託するとされた金額を集計した暫定値。平均は28,386円。
この28,386円は「アンケートの相場感」ではありません
この数字を「意識調査による相場」として紹介している記事を見かけますが、正確ではありません。28,386円はアンケートの結果ではなく、在留申請の書類に書かれた金額を集計したものです。出典資料の注記には、こうあります。
令和4年9月末に在留する特定技能外国人を対象とし、当該外国人が受けた「特定技能1号」の直近の許可に係る申請において登録支援機関に有償で委託するとされたものを集計したもの。
集計対象は70,404人。「相場はいくらだと思いますか」への回答ではなく、実際に許可された申請に記載された委託料そのものです。したがって上の分布表は、感覚値ではなく、申請に記載された実額の分布です。
なぜ取り違えが起きるのか。原因は資料の作りです。このページは上下2段のパネルで構成され、上段が支援委託料(注記つき・70,404人分の集計)、下段が「マッチング媒体利用に支払った費用」(n=247の単一回答)です。そして「意識調査」という出典表記は下段のアンケートに付いているものです。全体をテキストとして読むと、この表記が上段の数字にくっついて見えてしまう。それだけのことですが、結果として数字の性格が丸ごと入れ替わります。
ただし、これは4年前の数字です
28,386円は令和4年(2022年)9月末時点の暫定値であり、2026年7月現在、これより新しい公的数値は公表されていません。「最新の相場は◯◯円」と書ける公的データは存在しないのです。しかもこの4年間で市場は激変しました。特定技能1号の在留者数は、上記の現状資料の時点で108,699人(令和4年9月末・速報値)。それが令和7年12月末には382,341人(速報値)と3倍以上になっています(出典: 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」)。対象分野も当時の12分野から19分野へ広がりました。
ですから28,386円は、「今の見積もりが妥当かを判断するための、唯一の公的な足がかり」として使うのが正しい距離感です。提示された月額がこの分布のどこに位置するかを確認し、大きく外れているなら理由を説明してもらう。安いなら何が含まれていないのか、高いなら何が上乗せされているのかを聞けばよいのです。紹介会社の見極め方はネパール人材紹介会社の選び方|現地視察・手数料・責任の4チェックポイントで解説しています。
特定技能の給料は「日本人と同等以上」が法令要件

費用で最も大きい項目は、支援委託費でも紹介手数料でもありません。報酬です。そしてその水準は企業が自由に決められる領域ではなく、省令が要件として縛っています。
根拠は省令。原文はこう書かれています
特定技能雇用契約の基準を定めているのは、「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(平成31年法務省令第5号)です。その第1条第1項第3号に、こうあります。
外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること。
続く第4号も重要です。
外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと。
出典はe-Gov法令検索です。これは努力目標でも指針でもなく、入管法第2条の5第1項の委任を受けた省令上の基準であり、満たさなければ在留資格の許可が下りません。「外国人だから少し安く」という設計は、制度上、入口で成立しません。
特定技能の賃金は月額221.4千円(令和7年)
では実際にいくら払われているのか。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)によると、在留資格区分別の賃金は特定技能が221.4千円(前年比4.8%増、平均年齢29.5歳、勤続2.4年)です。参考までに外国人労働者計は254.3千円、技能実習は190.3千円、身分に基づくものは311.1千円です。
ただし、この221.4千円が何を指すのかは正確に押さえてください。同調査でいう「賃金」とは調査実施年6月分の所定内給与額のことで、時間外・深夜・休日出勤・宿日直・交替の各手当は差し引かれており、賞与も含まれません。しかも所得税等を控除する前の額です。集計対象は常用労働者10人以上の民営事業所に雇用される一般労働者で、公表は令和8年3月24日です(出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 第9表」。定義と公表日は同調査の概況)。
つまり221.4千円は「手取り」でも「年収÷12」でもありません。ここに残業代と賞与が乗り、社会保険料と税が引かれた額が本人の手取りです。会社側の負担で言えば、さらに社会保険料の事業主負担が乗ります。この数字をそのまま人件費として置かないでください。なお賃金データは調査ごとに定義が異なり、入管庁が届出ベースで公表する支給総額とこの所定内給与額は別物です。系統の違う数字を並べて増減を論じても比較になりません。
「同等以上」は基本給だけの話ではありません
同じ省令の第1条第1項第2号は、所定労働時間が通常の労働者と同等であることを求めています。短い時間で安く使う設計もできません。第5号では、一時帰国を希望した場合に必要な有給休暇を取得させることも求められています。実務上いちばん効くのは第4号の「差別的な取扱いをしていないこと」で、基本給を揃えても、住宅手当や家族手当、昇給の運用が日本人だけを対象にしていれば待遇差として問題になり得ます。手当と昇給の運用まで棚卸ししておいてください。
見積書に入っていない費用

ここからが、費用を見誤る本当の原因です。当社代表の岡本がよく話すのですが、紹介会社が見積書を出すとき、そこに入っていないコストがあります。住居をはじめとする受け入れ準備の費用です。金額の大小以前に項目として立っていないので、予算から丸ごと抜け落ちるのです。
支援に要する費用は、外国人本人に負担させられません
費用構造の土台になる規定を押さえてください。同じ省令の第2条第1項第8号は、特定技能1号の外国人を雇おうとする機関について、こう定めています。
……一号特定技能外国人支援に要する費用について、直接又は間接に当該外国人に負担させないこととしていること。
「直接又は間接に」がポイントです。給与から天引きするのはもちろん、名目を変えて本人に転嫁することもできません。つまり支援委託費は、値引き交渉の余地はあっても、本人に付け替えて逃がすことは制度上できない固定費です。あわせて第1条第2項第1号は、外国人が契約終了後の帰国に要する旅費を負担できないとき、特定技能所属機関がその旅費を負担することを求めています。③の層に入れておいてください。
建設分野はJACの受入負担金が上乗せされます
費用記事で最も落とされやすいのがここです。建設分野では支援委託料とは別に、一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)への受入負担金が発生します。金額は1号特定技能外国人1人あたり12,500円/月(年額15万円)です。
さらに見落としやすいのが年会費です。受け入れる建設企業は、JACの正会員である建設業者団体に加入する(間接)か、JACの賛助会員として直接加入するかのいずれかが必要です。所属団体が正会員なら年会費はかかりませんが、賛助会員として直接加入する場合は企業の年会費年24万円が別途必要です(出典: 建設技能人材機構「年会費と受入負担金」)。受入負担金だけで年15万円、直接加入なら初年度は年39万円。これを積まずに総額を出すと、建設分野の見積もりは過小になります。
住居・通信・生活の立ち上げ
海外から呼び寄せる場合、来日したその日から住める状態にしておく必要があります。敷金・礼金・仲介手数料に加えて家具家電の費用も乗ります。当社の実務では、すぐには届かない大型家電を会社が先に用意し、食器などは本人と一緒に買いに行く進め方が多くなっています。
意外に忘れられがちなのが通信です。スマートフォンは本人が母国から持ってくることがほとんどですが、インド製や中国製の端末だと日本のSIMが使えない場合があります。国内で使える端末には技適マークが必要で、これがない端末は電波法上の問題になり得ます。当社ではモバイル関連会社と提携し、機種番号から日本で使えるかを事前に判定しています。そして住居のWi-Fiは最優先で用意してください。連絡が取れないと会社が困りますし、それ以上に、家族と話せる環境は本人の安定に直結します。生活の立ち上げは定着に効くので、外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくりもあわせてご覧ください。
介護分野の調査データは、定義が違うので流用しない
介護分野に限れば、国際厚生事業団(JICWELS)の調査(令和3年10月1日時点)に登録支援機関への支払額が載っています。ただしここでいう「費用」は支援委託料そのものではありません。同じ設問の支援内容の選択肢に「外国人材の紹介」が含まれ、56.9%の法人がそれを受けていると回答しているからです。紹介手数料などが混ざった支払総額なので、入管庁の28,386円と並べて比較することはできません(出典: 国際厚生事業団「介護分野における特定技能制度の推進方策に関する調査研究」報告書 第3章)。
「外国人は安い」がもう通用しない構造
外国人採用を「人件費を下げる手段」として設計することは、もうできません。制度がそれを許していないからです。
制度が「安く雇う」を封じている
報酬は日本人と同等以上、所定労働時間も同等、待遇の差別的取扱いも禁止、支援費用は本人に負担させられません。そのうえで支援委託費が月額28,386円前後、建設分野ならJACの受入負担金が月12,500円上乗せされ、住居と生活の立ち上げが初期にのしかかります。当社代表の岡本は、同一労働同一賃金があり労働基準法も厳しい現在、外国人だけを安く雇うことはほぼ不可能で、住居を用意することまで含めれば、かけているコストは日本人より高くなることさえある、と話しています。
賃金の使いみちが違うので、待遇差に敏感です
もう一つ、採用側から見えにくい構造があります。厚生労働省の令和6年外国人雇用実態調査によると、母国の家族などへ仕送りをしている外国人労働者は全体で54.8%ですが、在留資格別では特定技能が81.6%と、技能実習の83.5%に次いで高い。1年間の仕送り額の平均も、全体の104.3万円に対し特定技能は123.3万円と全在留資格の中で最も高い水準です。月あたりにならせば、およそ10万円が母国へ渡っている計算になります(出典: 厚生労働省「令和6年外国人雇用実態調査の概況」。令和6年9月30日現在の状況を調査、労働者調査の有効回答11,568人)。
つまり可処分所得の構造が日本人と違います。手元に残る額が構造的に小さいので、月1万円、2万円の待遇差が生活設計に直結する。だから条件差に敏感ですし、転職の判断も早い。「安く雇えているつもり」の状態は、実際には最も辞められやすい状態でもあるのです。需給の面でも余地は狭まっており、外食業分野では2026年4月13日から特定技能1号の新規受入れが停止されました(分野内の転職と在留期間更新は通常どおり審査されます。詳しくはなぜ外食業の特定技能は新規停止になったのかをご覧ください)。新しく呼べる人数に上限がある以上、国内にいる人材に選んでもらう競争へ移っていきます。
総額で見て、何年で回収するのかを考える
おすすめしているのは、3つの層を全部足して、在留できる期間で割ってみることです。特定技能1号の在留期間は、入管法施行規則の別表第二で「三年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間」と定められています。「1年・6か月・4か月」と書いている記事が今も多く残っていますが、現行の規定は上記のとおりです。そのうえで通算の在留期間には上限があり、根拠は法律ではなく施行規則です。第20条の2および第21条の2が、通算して5年(相当の理由がある場合は6年)に達しているときは、変更・更新を許可する「相当の理由」がないものとする、と定めています(出典: e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法施行規則」、出入国在留管理庁「通算在留期間」)。
つまり、最長でおよそ5年という時間軸で初期費用を回収するのが特定技能1号の基本設計です。1年で辞められると回収できません。定着は情緒的な話ではなく、費用の話でもあるのです。いくら安く採るかではなく、採った人にどれだけ長く活躍してもらえるか。当社が「採用がゴールではなく活躍がゴール」と言い続けているのは、費用の計算としてもそれが正解だからです。ネパール人材を採用する場合の全体の流れは特定技能でネパール人材を採用する全手順|制度・書類・費用の実務ガイドで、向き不向きの判断材料はネパール人採用のメリット・デメリットで整理しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 結局、特定技能の外国人を1人採用すると月いくらかかりますか?
公的データで確実に言えるのは、支援委託費が月額平均28,386円(令和4年9月末時点・暫定値)で、最多の価格帯が2万円超〜2万5,000円以下ということだけです。これに報酬(特定技能の所定内給与額は令和7年で221.4千円)と社会保険料の事業主負担が乗り、建設分野ならJACの受入負担金が月12,500円加わります。初期費用は公的な相場がないため、複数社の見積書を同じ項目で並べて比較するしかありません。この記事の3層の表を物差しにしてください。
Q2. 支援を自社で行えば、支援委託費はゼロにできますか?
制度上は可能です。委託は義務ではありません。ただし省令第2条第2項が支援体制の基準を定めており、①過去2年間に中長期在留者の受入れ・管理を適正に行った実績がある(または生活相談業務の経験者を支援責任者・支援担当者に選任できる)こと、②本人が十分に理解できる言語で支援を行える体制があること、③支援責任者・支援担当者が外国人を監督する立場にない中立な者であること、などを満たす必要があります。初めて外国人を採用する企業は①で該当しないことが多く、②の通訳体制を自前で持つのも簡単ではありません。実際、受入れ機関の84.4%が登録支援機関を利用しています(意識調査・令和4年7月・n=262)。委託費は「削れる費用」ではなく「体制を買う費用」です。
Q3. 支援委託料が月1万円台の登録支援機関を選んでも問題ありませんか?
分布を見ると15,000円超〜20,000円以下は25.3%と珍しくない価格帯ですので、安いこと自体が問題なのではありません。確認すべきは、義務的支援のどこまでが含まれているかです。通訳を伴う定期面談や公的手続への同行、相談・苦情対応が別料金になっていないか。安く見える見積もりは、含まれる範囲が狭いだけということがよくあります。総額と範囲をセットで確認してください。
Q4. 2027年4月に育成就労が始まると、費用はどうなりますか?
2026年7月現在、育成就労の費用について公的な金額データは示されていません。監理支援機関に支払う費用の水準も、これから決まる部分が残っています。現時点で「育成就労だといくら」と数字で答えられる状態にはありません。制度の全体像とスケジュールは育成就労制度とは|2027年4月開始の新制度を採用企業向けに整理、技能実習からの変更点は育成就労と技能実習の違い|転籍・日本語要件・キャリアパスの変更点で解説しています。
まとめ
- 費用は「①初期費用/②毎月かかる費用/③随時発生する費用」の3層で見る。②は月額が小さくても在留期間の全体に掛かるため、総額では①を上回ることがある
- 国が金額を公表しているのは支援委託費だけ。月額平均28,386円、最多の価格帯は2万円超〜2万5,000円以下。ただし令和4年9月末時点の暫定値で、これより新しい公的数値は存在しない
- この28,386円はアンケートの相場感ではなく、在留申請に記載された金額を70,404人分集計したもの。登録支援機関の費用に公開制度はなく、登録簿の記載10項目に費用欄はない
- 報酬は日本人と同等以上が省令上の要件。所定労働時間の同等性、待遇の差別的取扱いの禁止、支援費用を本人に負担させない義務まで含めて、「安く雇う」設計は制度上成立しない
- 見積書に入っていない費用(住居・家具家電・通信・帰国旅費、建設分野ならJACの受入負担金 月12,500円)を足し、通算5年で割って判断する
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費用の話こそ、遠慮なくぶつけてください
「思っていたより高い」——それが率直な感想なら、たぶん正しく読めています。私たちは外国人採用を安さで売りたくありません。安さを売りにした瞬間、どこかにしわ寄せが行き、それはたいてい人材本人か、採用した企業に返ってくるからです。それでも、人が採れずに現場が回らないという課題に対して、十分に検討する価値のある選択肢だと考えています。
もし手元に他社の見積書があるなら、その内訳のまま持ってきて構いません。この記事の3層に当てはめて、何が入っていて何が入っていないのかを一緒に確認するところからお手伝いできます。お問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。