育成就労の転籍ルールと人材流出リスク|分野別1年・2年の線引きから考える

育成就労の転籍ルールと人材流出リスク|分野別1年・2年の線引きから考える

「育成就労になったら転職できるようになるらしい」——そんな情報だけが独り歩きし、不安を感じる企業は少なくありません。

育てた人材が1年ほどで他社へ転籍してしまうのではないか、都市部の企業に引き抜かれるのではないか。
技能実習では原則認められていなかった転籍が制度に組み込まれる以上、こうした疑問を持つのは自然なことです。

一方で、実際に何年で転籍できるのか、どのような条件を満たせば認められるのかまで正確に説明できる人はまだ多くありません。

この記事では、育成就労の転籍を「やむを得ない事情による転籍」と「本人の意向による転籍」の2つに分け、分野ごとに異なる1年・2年の転籍制限期間、2年を設定する場合の条件、さらに2026年8月10日時点でも未公表となっている優良要件や具体的な手続などの論点まで整理します。

まず結論からお伝えすると、育成就労の転籍は「1年経てば自由に転職できる」制度ではありません。

一方で、制度上認められた条件を満たした場合は、元の受入れ機関の意思だけで転籍を拒み続けることはできません。

本記事は、閣議決定された分野別運用方針、育成就労制度運用要領、Q&Aなどの一次資料をもとに作成し、在留資格・申請手続に関する記載は提携行政書士が確認しています。
情報は2026年8月10日時点のものです。

育成就労で転籍はどこまで認められるのか|転籍には2つのパターンがある

2つの進路に分かれる道を俯瞰したイメージ。転籍の2系統を表す図版

前提|転籍とは「新しい育成就労計画の認定を受け直す」こと

育成就労では、外国人本人が受入れ機関を変更することを「転籍」といいます。

日本人の転職に近いイメージがありますが、手続は大きく異なります。
本人は、監理支援機関、機構など制度上認められた窓口を通じて転籍希望を申し出ることになります。具体的な申出方法・手続の詳細については、今後の案内を確認する必要があります(出入国在留管理庁 育成就労制度Q&A49)。

申出は運用上、参考様式第1-16号(育成就労実施者の変更希望申出書)の利用が案内されていますが、必要事項を満たしていれば別様式の書面でも差し支えありません。

なお、転籍しても育成就労期間が最初からやり直しになるわけではなく、通算3年(妊娠・出産等に伴う延長など一定の場合は4年)の範囲内で残りの期間を引き継いで育成就労を続ける仕組みです(出入国在留管理庁 外国人労働者に関する概要)。

制度の全体像は育成就労制度とは|2027年4月開始の新制度を採用企業向けに整理で整理しています。

①やむを得ない事情による転籍|企業側の問題などで認められる転籍

育成就労法施行規則第25条は、育成就労を継続できない「やむを得ない事情」として、主に次の5つを定めています。

  • 本人の責めに帰さない事情により育成就労の継続が困難となった場合

  • 育成就労実施者に雇用契約上の重大な違反がある場合

  • 人権侵害行為があった場合

  • 出入国・労働関係法令に違反している場合

  • その他、従前の育成就労計画を継続することが相当でない事情がある場合

運用要領では、これらの具体例も示されています。
人権侵害には暴行だけでなく、「国へ帰れ」と帰国を迫る、民族や国籍を理由に差別的な言動をする、母国語を話したことを理由に罰金を示唆する行為などが含まれます。

また、契約違反として、雇用条件書どおりの賃金を支払わない、正当な理由なく年次有給休暇を取得させない、食費や寮費を過大に徴収する、説明された住居条件と実態が異なるといったケースも例示されています。

重要なのは、この転籍は本人意向による転籍とは別の制度として扱われることです。
そのため、本人意向による転籍で必要となる転籍制限期間の経過や技能・日本語試験の合格などの要件は適用されません。

ただし、転籍先で新たな育成就労計画の認定を受けるなど、法令上必要な手続は引き続き必要です。

②本人の意向による転籍|複数の要件を満たした場合に認められる

企業側に問題がなくても、一定の条件を満たせば本人の希望による転籍が認められます。ただし、法第9条の2第4号イ~ハおよび育成就労法施行規則第26~28条は、次の要件を満たすことを求めています。

  • 分野ごとの転籍制限期間(1年または2年)が経過していること

  • 育成就労評価試験等と日本語試験(原則A2.1相当以上。介護・鉄道分野のうち運輸係員区分はA2.2相当以上)に合格していること

  • 転籍先が優良な育成就労実施者であること

  • 転籍先における本人意向転籍者の割合が上限(原則3分の1)以内であること

  • 不適切な転籍あっせんを受けていないこと

  • 転籍先が転籍元へ人材育成に要した一定の費用を補填すること

さらに、転籍前後で同一の業務区分であることも必要で、分野をまたぐ転籍は認められません。

また、育成就労期間を延長している者は、本人意向による転籍の対象外とされています。

試験と育成の関係は育成就労から特定技能へ|移行要件はA2.2相当、3年で育てる採用設計で扱っています。

転籍先は「どこでもよい」わけではない|3分の1ルールと6分の1ルール

本人意向による転籍では、転籍先にも受入人数の制限があります。

まず運用要領は、転籍成立後に転籍先で受け入れている育成就労外国人全体に占める「本人意向による転籍者」の割合を、原則3分の1以内と定めています。
例えば、育成就労外国人が3人なら1人まで、6人なら2人まで、9人なら3人までです。

このため、育成就労外国人が1人しかいない受入れ機関では本人意向による転籍者を受け入れることができません。一方、2人が在籍している場合は、転籍者1人を加えた計3人のうち1人となるため、3分の1ルールを満たします。

さらに、大都市圏への人材流出を抑えるための「6分の1ルール」も設けられています。
受入れ機関が指定区域外(大都市圏)に所在する場合、指定区域内(地方圏)の受入れ機関から本人意向で転籍してきた外国人は、全体の6分の1以内に制限されます(転籍後の在籍者が5人以下の場合は1人まで)。

静岡県は全域が指定区域である一方、愛知県では新城市・設楽町・東栄町・豊根村のみが指定区域で、名古屋市などは指定区域外です。

そのため、静岡県の企業から名古屋市や東京都の企業へ本人意向で転籍する場合は、転籍先で3分の1ルールと6分の1ルールの両方を満たす必要があります。
加えて、不適切な転籍あっせんを防ぐ仕組みも設けられており、制度全体として地方から都市部への過度な人材流出を抑える設計になっています。

転籍制限期間は分野ごとに異なる|1年・2年の違いと2年を設定する条件

1年目と2年目が刻まれた時間軸の抽象イメージ。分野別の転籍制限期間を表す図版

2年が8分野、1年が9分野

転籍制限期間は、2026年1月23日に閣議決定された分野別運用方針で定められています。

基本方針では「原則として1年を目指す」としつつ、当分の間は分野ごとに1~2年の範囲で設定できる仕組みです。

育成就労の対象は17分野で、特定技能19分野のうち自動車運送業と航空は対象外のため一覧には含まれません。
制度開始時点では、2年が8分野、1年が9分野となっています。

育成就労産業分野

転籍制限期間

介護

2年

建設

2年

造船・舶用工業

2年

自動車整備

2年

工業製品製造業

2年

飲食料品製造業

2年

外食業

2年

資源循環

2年

ビルクリーニング

1年

リネンサプライ

1年

宿泊

1年

鉄道

1年

物流倉庫

1年

農業

1年

漁業

1年

林業

1年

木材産業

1年

出入国在留管理庁「特定技能制度及び育成就労制度の分野別運用方針」より作成

読者の多い工業製品製造業、建設、介護、外食業、飲食料品製造業はいずれも転籍制限期間が2年とされており、制度開始当初は比較的長い育成期間を確保する設計です。

一方、農業、漁業、宿泊、ビルクリーニング、鉄道などは1年となっています。

とくに鉄道は誤情報が広まりやすい分野です。
19分野を一覧化した「分野別運用方針の主要な記載事項」では、育成就労の対象外である航空と自動車運送業の欄が空欄になっているため、PDFの機械的なテキスト化や表のみの転載では列がずれ、「鉄道は2年」と誤って伝わる例が見られます。

しかし、鉄道分野の運用方針には「転籍制限期間は1年」と明記されています。

また、2年が設定された分野にはそれぞれ理由があります。
介護は専門的な知識・技能の習得に時間を要すること、建設は工期が1年を超える工事が多く労働災害防止の観点から継続的な育成が必要であること、飲食料品製造業はHACCPに基づく衛生管理の習熟に一定期間を要することなどが挙げられています。

もっとも、基本方針では転籍制限期間を「当分の間」の措置と位置付けており、将来的に見直される可能性があります。

待遇の向上措置は「2年を使う側」の条件

ここは誤解されやすいポイントです。
待遇向上措置は、「待遇を改善すれば2年の転籍制限期間を設定できる」という制度ではなく、「2年の転籍制限期間を設定するなら待遇を向上させることが必要」という条件です。

育成就労法施行規則第18条第6号では、転籍制限期間を1年超とする場合、育成就労開始から1年経過後に、昇給その他分野別運用方針で定める待遇向上措置を講じることを育成就労計画に定める必要があります。

2年の転籍制限期間を設定する場合は、分野別運用方針で定められた待遇向上措置を講じる必要があります。具体的な内容は分野によって異なり、昇給率を基準として昇給を求める分野もあれば、介護のように別の待遇向上措置が定められている分野もあります。

2年の転籍制限期間を設定する場合は、分野別運用方針で定められた待遇向上措置を講じる必要があります。介護以外の7分野では昇給率を用いた待遇向上が基本となり、介護では処遇改善加算の取得等を含む別の要件が設けられています。
つまり、2年の転籍制限期間は無条件で選べるものではなく、待遇向上を前提とした制度設計になっています。

2年分野でも1年を選択できる。ただし人ごとには変えられない

2年が設定されている分野でも、受入れ機関は自らの判断で転籍制限期間を1年とすることができます

この場合、2年を設定する際に必要となる待遇向上措置(協議会が定める基準昇給率での昇給など)は求められず、追加の要件もありません。

一方で、転籍制限期間を外国人ごとに変えることは認められていません。

運用要領では、育成就労外国人ごとに異なる転籍制限期間を設定することは不当な取扱いに当たるとされており、「優秀な人だけ2年、それ以外は1年」といった運用はできません。
転籍制限期間は、受入れ機関として統一した方針で設定する必要があります。

転籍制限期間は申請時に決める

転籍制限期間は、認定申請時に育成就労計画へ記載する事項であり、原則として認定時に定めた内容に基づき運用されます。

計画の「育成就労実施者の変更を制限する期間」欄に記載され、転籍時にも確認されます。

認定申請の受付は2026年9月1日に始まり、施行日前の申請は受入れ開始予定日の7~5か月前が目安です。

2027年4月受入れを予定している企業は、転籍制限期間を1年にするか2年にするかを早めに決めて申請準備を進める必要があります。

逆算は育成就労が始まる前に企業がすべき準備|2026年9月の申請開始から逆算するにまとめています。

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2026年8月10日時点でまだ決まっていないこと|企業が特に気にする3つの論点

法令や分野別運用方針で制度の骨格は固まりましたが、2026年8月10日時点でも次の3点は未公表です。

  1. 「優良な育成就労実施者」の基準
     本人意向による転籍を受け入れられるのは優良な受入れ機関に限られますが、評価項目や認定基準は未公表です。

  2. 本人意向による転籍の具体的な手続
     Q&Aでは、申請方法や実務上の流れなどの詳細は「決まり次第お示しします」とされています。

  3. 初期費用の基準額(告示額)
     転籍先が補填する初期費用の算定基準額は、主務大臣告示で定める予定です。

制度が未確定の部分まで断定的に説明している記事もありますが、この3点は現時点では「未公表」が正確です。

初期費用の補填は「金額は未定、按分率は確定」

未定なのは基準額だけで、補填額の計算に用いる按分率は施行規則で既に確定しています。

転籍元での育成就労の期間

按分率(1回目の本人意向転籍の場合)

1年以上1年6か月未満

6分の5

1年6か月以上2年未満

3分の2

2年以上2年6か月未満

2分の1

2年6か月以上

4分の1

出典: 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度運用要領」(令和8年8月3日一部改正版)4-205「補填額の算定方法」。基準額は主務大臣の告示で定められるが2026年8月10日時点で未制定

本人意向による転籍では、転籍先から転籍元へ、育成に要した初期費用の一部が補填されます。補填額は、主務大臣が告示で定める基準額に、転籍元での育成就労期間に応じた按分率を乗じて算定されます。

2026年8月10日時点では、按分率は既に定められていますが、算定の基礎となる基準額はまだ告示されていません。

転籍先は認定申請時に支払いを誓約し、認定後6か月以内に証明書類を提出します。
誓約どおり履行されなければ、認定取消し等の対象となる可能性があります。

転籍元は領収書などの保管が必要です。「決まってから考える」が成り立たない理由

未確定の論点はありますが、転籍対応を待つ理由はあまりありません。

転籍制限期間を1年にするか2年にするかは申請時に決める事項であり、優良要件の公表を待っていると申請準備に影響する可能性があります。

また、優良要件は未公表ですが、現行制度との連続性を踏まえれば、技能・日本語の修得実績や法令遵守、相談・支援体制などが評価対象となる可能性があります。

流出を防ぐのは制度ではなく待遇と条件|自社が施行前に見直すべき4点

面談テーブルで待遇表を挟んで話す外国人技能者と日本人管理者

制度には、転籍制限期間や3分の1・6分の1ルール、初期費用の補填など、受入れ機関に配慮した仕組みがあります。

しかし、本人意向による転籍の要件を満たした場合は、制度だけで人材を引き留め続けることはできません。
重要なのは、制度の外側にある待遇や働きやすさです。
施行前に見直しておきたい4つのポイントを紹介します。

①1年目から2年目の昇給を、あらかじめ設計する

2年の転籍制限期間を設定する分野では、1年経過後の昇給など待遇向上措置が義務になります。

一方、1年の分野でも、転籍制限期間が明ける時期に合わせて昇給を予定しておくことは、人材の定着につながります。

参考までに、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」では、外国人労働者の所定内給与額は特定技能1号が22万1,400円、技能実習が19万300円で、約3万1,000円の差があります。
実際の昇給額は企業ごとに異なりますが、育成就労から特定技能への移行を見据え、この差をどう埋めるかを早めに設計しておくことが重要です。

②額面ではなく「手元に残る額」で設計する

外国人材の定着では、額面給与だけでなく実際に手元へ残る金額が重要です。

家賃や光熱費、寮費などの控除額によって可処分所得は大きく変わり、多くの外国人材はその中から母国へ送金しています。
そのため、同じ額面でも控除の違いが転職判断に与える影響は小さくありません

この構造はネパール人は本当に辞めにくいのか|送金責任と借金構造から考える定着で詳しく書きました。

制度上も住居は待遇の一部です。
説明した内容と実態が著しく異なり、改善も行われない場合は、「やむを得ない事情による転籍」が認められる可能性があります。

住居費や控除内容は、募集時の説明資料だけでなく、後日のトラブルを防ぐための重要な記録としても整理しておくことが大切です。

費用構造全体は特定技能の採用費用の内訳|なぜ「外国人は安い」がもう通用しないのかを参照してください。

③3年後の絵を見せる|特定技能まで見据えたキャリアを示す

育成就労は3年で終了し、その先には特定技能1号・2号があります。
「3年後が見えない会社」と「特定技能への移行やその後のキャリアまで示せる会社」では、同じ待遇でも安心感は大きく異なります。

特定技能の全体像は特定技能とは|1号と2号の違い・19分野・受入れ上限の全体像を整理にまとめています。

本人意向による転籍に必要な試験は、特定技能1号への移行に向けた能力習得とも重なっています。

例えば、日本語要件のA2.1相当(介護・鉄道分野のうち運輸係員区分はA2.2相当)は、その後のキャリア形成にもつながる水準です。
育成を進めれば転籍要件も満たしやすくなりますが、育成を止めれば特定技能への移行も難しくなり、育成就労終了後に就労継続ができない可能性が高まります。

④試験を受けさせることから逃げない

試験の受験を妨げることは解決策になりません。
制度では、受験を不当に妨害するなど育成就労計画を適切に実施していないと認められた場合、計画認定の取消しにつながる可能性があります。

さらに、そのような行為があれば「やむを得ない事情による転籍」が認められる可能性もあります。

人材を定着させるには、制度の抜け道を探すのではなく、計画どおり育成し、安心して働き続けられる環境を整えることが重要です。

この観点は外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくりで扱っています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 転籍制限期間を2年にしておけば、2年間は誰も辞めないということですか?

A.いいえ。転籍制限期間が制限するのは「本人意向による転籍」のみです。やむを得ない事情による転籍には適用されず、本人が育成就労を終了して帰国することまで制限する制度でもありません。

Q2. 転籍されたら、採用にかけた費用は戻ってこないのですか?

A.本人意向による転籍では、転籍先から転籍元へ初期費用の一部が補填されます。
補填額は、主務大臣告示で定める基準額に、育成就労期間に応じた按分率(1年以上1年6か月未満は6分の5、2年6か月以上は4分の1など)を乗じて算出します。

ただし2026年8月10日時点では基準額を定める告示は未制定です。
なお、この補填制度はやむを得ない事情による転籍には適用されません。

Q3. 静岡の会社ですが、都市部の企業に引き抜かれやすくなりませんか?

A.本人意向による転籍には、地方圏から大都市圏への人材流出を抑える仕組みがあります。

静岡県は全域が「指定区域」(地方圏)であり、指定区域外の企業が受け入れられる本人意向転籍者は原則として全体の6分の1以内です(転籍後の在籍が5人以下なら1人まで)。
これに原則3分の1ルールも重なり、不適切な転籍あっせんにも制限が設けられています。

Q4. 転籍制限期間を1年にすると、自社が不利になりますか?

A.制度上の不利益はありません。
2年の分野でも、受入れ機関の判断で転籍制限期間を1年に設定できます。

その場合、2年を前提とした待遇向上措置(協議会が定める昇給率による昇給など)は不要です。
ただし、本人意向による転籍が可能となる時期は1年に早まります。

まとめ

  • 育成就労の転籍は2種類ある。
    「やむを得ない事情による転籍」と「本人意向による転籍」に分かれます。
    前者は人権侵害や法令違反、重大な契約違反などがある場合で、転籍制限期間や試験要件は適用されません。

  • 本人意向による転籍は、複数の要件を満たした場合だけ認められる
    転籍制限期間の経過、技能・日本語試験への合格、優良な受入れ機関への転籍、人数制限などの条件が必要で、分野をまたぐ転籍も不可。

  • 転籍制限期間は分野によって異なる
    2年が8分野、1年が9分野と定められており、鉄道は1年。
    要約資料の列ずれによる誤記も見られるため、分野別運用方針で確認することが重要。

  •  2年を選ぶ場合は待遇向上措置が必要になる
    一方で、2年分野でも受入れ機関の判断で1年を選択できる。
    ただし、外国人ごとに異なる転籍制限期間を設定することは認められていない。

  • 未公表の事項もあるが、準備は今から進められる
    優良受入れ機関の要件や初期費用の基準額などは2026年8月10日時点でも未公表。
    一方、制度の骨格は固まっているため、賃金や住居、キャリアパスなど受入れ体制の整備は早めに進めることが重要。

次に読むべき記事:

「転籍されるかもしれない」を前提に考え始める時代です

育成就労では、一定の条件を満たせば本人意向による転籍が認められます。

制度は転籍制限期間や初期費用の補填などで受入れ機関に一定の配慮をしていますが、それらはあくまで時間を確保するための仕組みです。

最終的に人材が残るかどうかは、昇給のタイミングや手元に残る収入、住環境、3年後のキャリアパスなど、働き続けたいと思える条件づくりに左右されます。

一方で、自社の分野の転籍制限期間や、2年を選択した場合に必要な待遇向上措置など、現時点で判断できる事項はすでに制度上明確になっています。
未公表の優良要件や初期費用の基準額などは今後の公表を待つ必要がありますが、受入れ体制の見直しは今からでも始められます。

制度の内容や自社への影響が気になる場合は、お気軽にG-Star HR Linkへご相談ください。