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監理支援機関の監査業務|定期監査・臨時監査・訪問指導の頻度と報告期限

監理支援機関の監査業務|定期監査・臨時監査・訪問指導の頻度と報告期限

監理支援機関の許可申請を終えた組合が、次に整えておきたいのが、育成就労開始後の監査・訪問指導の運用体制です。

技能実習で監査を経験していても、育成就労では新しい運用要領に沿って実施頻度や報告期限を確認する必要があります。

定期監査は、育成就労実施者ごとに3か月に1回以上実施し、育成就労外国人との面談も行います。
面談対象は原則4分の1以上ですが、外国人が2~4人の場合は2人以上です。
また、育成就労期間が合計1年以下となる段階では、月1回以上の訪問指導が求められます。

臨時監査は、育成就労実施者に法令違反などの疑いがある場合に、速やかに実施する必要があります。

監査結果の報告期限や、人権侵害が疑われる場合の連絡手順も、通常の監査とは分けて確認しておきましょう。

この記事では、定期監査・臨時監査・訪問指導の違いを整理し、担当者が年間予定表を作成する際に押さえたい実務上のポイントを解説します。

G-Star HR Link株式会社は、浜松を拠点にネパール人材の紹介と受入れ支援を行う登録支援機関(登録番号:25登-011561)です。
監理支援機関ではないため、育成就労の監査業務は行いません。

一方、特定技能の支援では、外国人本人とその上司との定期面談を3か月に1回以上実施しています。
面談予定を維持する工夫や、本人の声を丁寧に聞き取る難しさは、日々の支援業務で実感しているところです。

本記事の制度解説は、出入国在留管理庁・厚生労働省が公表する「育成就労制度運用要領」(令和8年8月版)を確認してまとめています。

監理支援機関が受入れ企業に行う3つの業務|定期監査・臨時監査・訪問指導

根拠・頻度・報告先を比較

監理支援機関の監査・訪問指導は、育成就労法第39条第4項と施行規則第67条などに定められています。
定期監査・臨時監査は監査、訪問指導は別の義務です。

種類

根拠

頻度・きっかけ

確認の中身

報告

定期監査

規則第67条第1号(派遣形態は第2号)

3か月に1回以上

実地確認、育成就労責任者・指導員からの報告、外国人の4分の1以上との面談、設備・帳簿書類の確認、宿泊施設等の確認

監査報告書(省令様式第23号)を監査日から2か月以内に機構の地方事務所・支所の指導課へ

臨時監査

規則第67条第3号

計画認定の取消事由(法第16条第1項各号)に該当する疑いを認めたとき、直ちに

定期監査と同じ方法

原則2か月以内。人権侵害の疑いは直ちに電話等で連絡し、報告書は遅くとも2週間以内

訪問指導

規則第67条第4号

1か月に1回以上(育成就労の期間が合計1年以下の外国人がいる場合)

計画どおりに育成就労を行わせているかの実地確認と、必要な指導

訪問指導記録書を事業所に備え付け、写しを年1回の事業報告書に添付

出典: 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領」(令和8年8月)第5章第16節第2(1)〜(3)・第19節

監査報告書は、監査対象の育成就労実施者の住所地(法人は本店所在地)を管轄する外国人育成就労機構の地方事務所・支所の指導課へ提出します。
組合の所在地とは限りません。

外部監査人の監査と混同しない

「3か月に1回以上」という頻度は、外部監査人による監査にも定められています。
ただし、施行規則第47条第3項は、外部監査人が監理支援機関の業務を確認する規定です。

一方、第67条は、監理支援機関が受入れ企業を監査する規定です。
監査する側と確認される側が異なるため、区別して理解しましょう。

外部監査人の要件や同行監査については外部監査人は誰に頼めるか|監理支援機関の要件・監査頻度・依頼の時期で整理しています。

監査は外部委託できない|担当者にも制限がある

運用要領では、監査を監理支援機関の「根幹業務」と位置づけ、外部への委託を認めていません。
監査は監理支援責任者の指揮の下、監理支援機関の役職員が実施します。

担当者にも制限があります。
監理支援責任者が、監査対象企業の役職員(過去5年以内を含む)や、その配偶者・二親等以内の親族に該当する場合、その企業の監理支援には関与できません(規則第69条第3項)。別の監理支援責任者を配置する必要があります。

また、規則第68条第1項に定める密接な関係を有する役職員も、該当企業の監査などの業務に従事できません。
組合役員に傘下企業の経営者が含まれる場合は、企業ごとに担当者を事前に確認し、監査の実施体制を整えておきましょう。

技能実習の監査から変わる点・変わらない点

技能実習で監査を担当してきた組合も、育成就労では運用要領の違いを確認する必要があります。
定期監査の頻度など共通する点がある一方、次回監査の期限や訪問指導の対象、記録様式には違いがあります。

項目

技能実習(監理団体)

育成就労(監理支援機関)

定期監査の頻度

3か月に1回以上

3か月に1回以上(同じ)

2回目以降の期限の数え方

起算月から四半期ごとに1回(例: 講習開始4月16日なら6月30日まで、次は7月1日〜9月30日)。前回実施日から3か月以内が「望ましい」

前回の監査実施日の3か月後に応当する日を含む月の末日まで(例: 5月10日実施なら8月31日まで)

面談人数

4分の1以上(2〜4人なら2人以上)

同じ

臨時監査の報告

原則2か月以内。人権侵害の疑いは直ちに電話等、2週間以内に報告書

同じ

訪問指導の対象

第1号技能実習

育成就労の期間が合計1年以下の外国人

面談日に欠勤した人

次回の監査などの際に必ず面談できるよう調整する対応も可能

別の日に改めて日程調整して必ず面談するなどの対応が必要

宿泊施設の確認

複数回の監査で全ての宿泊施設を訪れることが望まれる

複数回の監査で全ての宿泊施設を訪れることが必要

訪問指導の方法

―

オンラインでのみ実施することは認められないと明記

訪問指導記録書

参考様式第4-10号

参考様式は「追って示す予定」

監査報告書

省令様式第22号

省令様式第23号

出典: 出入国在留管理庁・厚生労働省「技能実習制度 運用要領」(令和8年4月)第5章(監理団体の業務の基準(1)〜(3))、「育成就労制度 運用要領」(令和8年8月)第5章第16節第2

実務上、特に注意したいのが次回監査の期限です。
育成就労では、初回は入国後講習開始月を起算月として3か月以内に実施し、2回目以降は前回監査日の3か月後の応当日を含む月の末日までに実施します。

例えば、5月10日に監査した場合、次回の期限は8月31日です。
前回実施日と次回期限を企業ごとに記録し、管理台帳で確認できるようにしておきましょう。

定期監査は3か月に1回以上|起算月と実施期限の数え方

監理支援機関の担当者が受入れ企業の現場を実地で確認している様子

初回は講習開始月、2回目以降は前回の監査日が基準

育成就労の定期監査は、入国後講習開始日の属する月を起算月として、3か月ごとに少なくとも1回実施します。
2回目以降は、前回監査日の3か月後の応当日を含む月の末日が期限です。

  • 講習開始日が4月16日なら、第1回は6月30日まで

  • 第1回を5月10日に実施した場合、第2回は8月31日まで

  • 8月31日に実施した場合、3か月後の応当日である11月31日は存在しないため、次回は11月30日まで

初回と2回目以降では、期限の数え方が異なります。
受入れ時期が企業ごとに違えば起算月も異なるため、監査日と次回期限を企業ごとに管理し、実施漏れを防ぎましょう。

定期監査で確認する5つの方法|面談人数と報告書の記録項目

監理支援機関は、育成就労法施行規則第67条第1号に基づき、原則として次の5つの方法で定期監査を行います。

ただし、業務の性質上、特定の方法による確認が著しく困難な場合などには、適切な代替方法が認められます。

  1. 実地確認(イ):育成就労の実施状況を現場で確認する

  2. 報告聴取(ロ):育成就労責任者・指導員から報告を受ける

  3. 外国人との面談(ハ):育成就労外国人の4分の1以上と面談する

  4. 設備・帳簿の確認(ニ):事業所の設備を確認し、帳簿書類などを閲覧する

  5. 生活環境の確認(ホ):宿泊施設など、外国人の生活環境を確認する

面談人数には注意が必要です。
外国人が2~4人の場合は2人以上との面談が必要です。
したがって、2人・3人・4人の企業では少なくとも2人、1人の企業ではその1人と面談します。

監査結果は省令様式第23号の監査報告書に記録します。
実施者、監査の種類と臨時監査の理由、確認場所、責任者・指導員からの報告、面談した人数と対象者、設備・帳簿・生活環境の確認結果、特記事項、法令違反の有無、総合講評などを記録できるよう、監査時点から必要な情報を整理しておきましょう。

どうしても実地で見られない現場の扱い

育成就労の監査では、業務の性質上、定められた確認方法の実施が著しく困難な場合に限り、他の適切な方法に代えることが認められています。
運用要領では、安全上立入りが難しい建設現場や、衛生上、従業員以外の立入りが制限される食品工場などを例示しています。

代替方法には、現場近くで本人と面談する、元請の現場代理人などから作業状況を聴取する、WEBカメラで作業を確認するといった方法があります。
代替した場合は、その理由と方法を監査報告書の特記事項欄に記録します。

オンライン確認が一般的に認められるわけではないため、例外に該当する事情と代替方法の適切性を慎重に判断しましょう。

派遣形態では派遣元・派遣先の双方を監査

労働者派遣等の形態で育成就労を行う場合、派遣元と派遣先の双方を監査します。
頻度は、外国人を業務に従事させている期間中、3か月に1回以上です。
従事期間が3か月未満なら、その期間中に1回以上、派遣元で外国人を従事させない場合は年1回以上です(規則第67条第2号)。

監査で重点的に確認する項目

監査で育成就労外国人から話を聞いている様子

問題が起きやすい部分を見逃さない

育成就労制度の運用要領は、定期監査で問題が生じやすい部分を重点的に確認するよう求めています。
具体例は、割増賃金の不払い、労働時間の偽装、二重帳簿、計画に沿わない育成就労、受入れ企業以外での就労、不法就労者の雇用、入国後講習中の業務、人権侵害行為です。

あわせて、報酬が契約どおり支払われているか、旅券・在留カードを企業が保管していないかも確認します。

業務区分・必須業務との照合は必須

監査では、育成就労計画どおりに実施されているかだけでなく、実際の業務内容も確認します。
運用要領は、従事する業務が分野別運用方針の業務区分や、審査基準に定める必須業務に合致しているかを必ず確認するよう求めています。
確認や指導が不十分では、適切な監査とはいえません。

現場で確認した作業と計画書の業務区分・必須業務を照合する手順を、監査チェックリストに組み込みましょう。

業務区分と必須業務の考え方そのものは育成就労で任せられる仕事の範囲|必須業務3分の1と業務区分の考え方をご覧ください。

面談は企業側の監督者を同席させずに行う

運用要領は具体例を示しています。

  • 個別面談だけでなく、集団面談も可能です。
    質問票に回答してもらい、その内容を踏まえて質問項目を絞る方法も考えられます。

  • 1回の監査で、在籍する育成就労外国人の4分の1以上と面談する必要があります。
    3か月に1回以上の監査を行い、1年で全員と面談することが望まれます。

  • 少人数の受入れで、病気などにより当日面談できない人がいる場合は、別日に日程を調整して面談する対応が必要です。

  • 日本語の理解度に応じて通訳を使うほか、「最近どこでどんな仕事をしていますか」「先月の給料はいくらもらいましたか」など、平易な日本語で質問できます。
    手帳を使った説明も有効です。

  • メンタルヘルス面の問題がないかも確認し、問題や相談に対応します。

  • 育成就労外国人を監督する立場にある者を、面談に同席させることは認められません。

平易な日本語で聞き取る工夫は、特定技能の定期面談にも通じます。

ただし、特定技能の面談は支援計画に基づく支援の一環であり、育成就労の監査とは根拠も確認対象も異なります。
共通するのは、仕事の場所や内容、給与額など、事実を尋ねる点です。
「困っていることはありますか」とだけ聞くより、先月の残業時間や寮の部屋の人数などを具体的に確認すれば、帳簿や宿泊施設の確認結果と照合しやすくなります。
質問票も事実確認を中心にすれば効率化できます。

法令違反が疑われる相談を受けた場合は、速やかに育成就労実施者に事実関係を確認します。違反が認められたときは改善させ、機構や関係行政機関に報告・通報する必要があります。

また、仕事がきつい、指示がわからない、眠れないといった相談や情報を把握した場合は、実施者と相談し、業務上の配慮やコミュニケーション方法の見直しにつなげます。

帳簿と宿泊施設の見方

帳簿書類では、次の3点を確認します。

  • 賃金台帳やタイムカードなどから、報酬・労働時間が育成就労計画の内容と合っているか

  • 業務内容や指導内容を記録した日誌から、計画どおりに業務が行われているか

  • 計画に記載された設備を使用し、安全衛生上の措置を講じて作業しているか

帳簿書類が電磁的記録で作成されている場合は、監査前に電子データを提出させ、事前確認に活用できます。
ただし、実地監査では、必要な書類が事業所に備え付けられているか、事前に確認した資料が実態と一致しているかも確認します。

宿泊施設では、衛生状態、1部屋当たりの人数、私生活の自由が不当に制限されていないか、鍵のかかる私物保管設備があるかなどを確認します。
宿泊施設が離れた場所に複数ある場合は、複数回の定期監査に分けて訪問することもできます。
ただし、最終的にはすべての宿泊施設を訪問する必要があります。

なお、育成就労産業分野によっては、告示で監査方法などの上乗せ基準が定められています。
該当分野を扱う場合は、一般的な運用要領だけでなく、分野別の告示や運用要領も確認し、その基準に適合させる必要があります。

自社の分野に上乗せがあるかの確かめ方は育成就労の分野別上乗せ基準|自分の分野の告示と運用要領を確認する手順にまとめています。

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臨時監査と訪問指導|「直ちに」と「毎月」の中身

臨時監査は疑いを認めた時点で始まる

臨時監査は、育成就労実施者に育成就労計画の認定取消事由(法第16条第1項各号)に該当する疑いがあると認めた場合、直ちに実施する必要があります(規則第67条第3号)。

計画どおりに育成就労を行わせていない疑いに加え、不法就労者の雇用や労働関係法令違反などの情報を得た場合も、速やかに事実関係を確認し、臨時監査の要否を判断します。

監査報告書は、原則として監査実施後2か月以内に提出します。
ただし、暴行、脅迫その他の人権侵害が疑われる場合は、対応が異なります。
臨時監査の実施後、直ちに電話などで概要を、育成就労実施者の住所地を管轄する機構の地方事務所・支所の指導課に連絡し、監査報告書も遅くとも実施後2週間以内に提出する必要があります。
人権侵害が認められた場合は、本人と加害者の間で和解が成立していても、速やかな報告が必要です。

定期監査の予定時期に臨時監査を実施した場合、定期監査を重ねて行う必要はありません。
ただし、取消事由の疑いが続く場合は、状況に応じて監査の頻度を高めることが望まれます。

訪問指導は1年目の毎月の仕事

訪問指導は、定期監査・臨時監査とは別に、監理支援機関の役職員が企業を訪問し、育成就労の実施状況を実地で確認して必要な指導を行うものです(規則第67条第4号)。
対象となるのは、育成就労の対象期間の合計が1年以下の外国人がいる場合です。

起算月は入国後講習開始日の属する月ですが、その月が講習のみで就労を開始していない場合、訪問指導は不要です。
例えば、4月1日に講習を開始し、4月20日に就労を始めた場合は4月30日までに初回を実施します。

一方、就労開始が5月10日なら、4月の訪問は不要で、5月31日までに初回を実施します。

注意したいのは、毎年同じ時期に外国人を受け入れる企業です。
対象期間の合計が1年以下の外国人が毎年いるため、毎月の訪問指導が継続して必要になります。
監理支援機関の年間工数を見積もる際は、定期監査だけでなく、訪問指導の回数も企業ごとに計画しておきましょう。

訪問指導の担当と進め方

訪問指導は、育成就労計画の作成指導を担当した者が実施するのが最も望ましいとされています。
担当企業が多く、1人で対応しきれない場合は、他の役職員が作成指導者から事前に必要な説明を受けたうえで訪問することが望まれます。

訪問前に育成就労日誌を電子データで提出させ、作成指導者が確認することは可能です。
ただし、訪問指導そのものをオンラインだけで実施することは認められません。

また、育成就労の開始から1年以下の段階は本人を取り巻く環境の変化が大きいため、企業が本人のメンタルヘルスに配慮しているかを確認し、必要な指導を行うことが重要です。

訪問指導を行った場合は、指導内容を訪問指導記録書に記録し、監理支援事業を行う事業所に備え付けます。
記録書の写しは、年1回の事業報告書に添付し、機構本部事務所の審査課に提出する必要があります。
令和8年8月版の運用要領では参考様式は「追って示す予定」とされていますが、記録自体は必要です。

当面は社内様式を用意し、参考様式が公表されたら内容を確認して対応しましょう。

記録と報告|監査報告書・事業報告書・9種類の帳簿

監査報告書と帳簿を整理している様子

監査報告書と事業報告書

定期監査・派遣形態の監査・臨時監査を実施したら、監査報告書(省令様式第23号)を作成し、原則として監査実施後2か月以内に、監査対象の育成就労実施者の所在地を管轄する機構の地方事務所・支所の指導課へ提出します(法第42条第1項、規則第71条第1項)。

これとは別に、監理支援機関は事業所ごとに年1回、事業報告書(省令様式第24号)を機構本部事務所の審査課へ提出します。
対象期間は4月1日から翌年3月31日まで、提出期間は翌年度の4月1日から5月31日までです。

添付書類は、直近の事業年度の貸借対照表・損益計算書(または収支計算書)、訪問指導記録の写し、外部監査の結果を記録した書類の写しです。
許可を受けた年度は、育成就労外国人の受入れがなくても提出が必要です。

1年目の予定表(例)

入国後講習を4月1日に開始し、4月20日に就労を始めた企業を想定します。
定期監査を6月10日・9月15日・12月5日・翌年3月中に実施する例です。

実際の日程は、起算月と前回の監査日から計算してください。

月

訪問指導

定期監査

報告

4月

1回目(4月30日まで)

起算月

―

5月

実施

―

―

6月

実施

第1回(期限6月30日。例: 6月10日に実施)

―

7月

実施

―

―

8月

実施

―

第1回の監査報告書(6月10日実施なら8月9日ごろまで)

9月

実施

第2回(期限9月30日。例: 9月15日に実施)

―

10月

実施

―

―

11月

実施

―

第2回の監査報告書(9月15日実施なら11月14日ごろまで)

12月

実施

第3回(期限12月31日。例: 12月5日に実施)

―

1月

実施

―

―

2月

実施

―

第3回の監査報告書(12月5日実施なら2月4日ごろまで)

3月

実施

第4回(期限3月31日)

―

翌年4〜5月

期間の合計が1年を超えるまで継続

引き続き3か月に1回以上

第4回の監査報告書、事業報告書(5月31日まで)

出典: 出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領」(令和8年8月)第5章第16節第2(1)・(3)、第19節の例示をもとに当社で作成

この例では、1年目に訪問指導12回、定期監査4回、監査報告書4本が発生します。
毎年新たな対象者を受け入れる企業では、訪問指導が翌年度以降も続く場合があるため、企業ごとに年間の訪問回数と監査日程を管理しましょう。

備え付ける帳簿書類は9種類、保存期間は終了日から1年

監理支援機関は、次の帳簿書類を作成し、監理支援事業を行う事業所に備え付けます(法第41条、規則第70条)。

  1. 育成就労実施者・育成就労外国人の管理簿

  2. 監理支援費の管理簿

  3. 雇用関係の成立のあっせんに係る管理簿

  4. 監査報告書

  5. 訪問指導の内容を記録した書類

  6. 入国前講習・入国後講習の実施記録

  7. 育成就労外国人からの相談内容と対応の記録

  8. 外部監査の結果を記録した書類(外部監査報告書・同行監査の報告書)

  9. 特定の分野について告示で定められた追加書類

保存期間は、監理支援を行う育成就労実施者の育成就労が終了した日から1年間です。

監査では、監査報告書のほか、監査実施概要も作成・保存することが望ましいとされています。
育成就労責任者・指導員からの報告、外国人との面談結果、設備等の写真も、併せて保存することが推奨されています。

これらは外国人技能実習機構の実地検査や主務大臣の立入検査で提示できるよう備えておきましょう。
書面に代えて電磁的記録で作成・保存することも認められています。

監査の費用は「監査指導費」として管理

監理支援費管理簿(参考様式第4-8号)には、職業紹介費、講習費、監査指導費、その他諸経費の区分ごとに、支出額や算出根拠を記載します。
人件費・交通費の内訳が分かるようにし、監査時の交通費の領収書など、支出を裏付ける資料も保存します。
監査や訪問指導の予定を立てる際は、交通費の精算から管理簿への記載、証拠書類の保存までを一連の流れとして整えておくと、事業報告時の確認もスムーズです。

よくある質問(FAQ)

Q1.  外国人が1人でも、3か月に1回の定期監査は必要ですか。

A.必要です。受入れ人数にかかわらず、原則3か月に1回以上、実地監査と面談を行います。
面談対象は原則4分の1以上のため、1人なら本人が対象です。
欠勤などで面談できない場合は、別日に日程を調整し、面談を実施する必要があります。

Q2. オンライン面談やWEBカメラで監査を済ませられますか。

A.原則できません。監査は実地で行う必要があります。
業務の性質上、実地での確認が著しく困難な場合には、代替方法が認められることがあります。
その場合は、理由と代替方法を監査報告書の特記事項欄に記載します。
訪問指導も、オンラインだけで完結させることは認められません。

Q3. 監査を受入れ企業の担当者や外部の専門家に任せてもよいですか。

A.監査を外部に委託することはできません。
監理支援責任者の指揮の下、監理支援機関が自ら実施します。
外国人との面談では、本人が安心して話せる環境を確保し、受入れ企業の担当者の同席によって面談の公正性が損なわれないよう配慮が必要です。

Q4.  技能実習の監査を経験した組合は、何を変えればよいですか。

A.まず、監査期限と訪問指導の管理方法を見直しましょう。
定期監査は3か月に1回以上で、初回は入国後講習開始月を起算月とし、2回目以降は前回の監査実施日を基準に期限を管理します。
訪問指導は、育成就労期間が通算1年以下の外国人について、入国後講習開始月から毎月実施します。
監査報告書は別記様式第23号です。

また、欠勤者との面談は別日に調整し、宿泊施設も確認漏れがないよう管理します。
技能実習と同じ運用だと思い込まず、監査頻度・報告期限・面談方法を最新の運用要領で確認し、企業ごとの実施日と次回期限を一覧管理できる台帳に切り替えることが重要です。

まとめ

  • 定期監査は3か月に1回以上
    初回は入国後講習開始月を起算月とし、2回目以降は前回実施日の3か月後の応当日を含む月末までに実施。

  • 面談は原則4分の1以上
    2~4人の場合は2人以上とし、企業担当者を同席させずに実施。

  • 訪問指導は毎月必要
    育成就労期間が通算1年以下の外国人が対象で、原則として実地で行う。

  • 監査報告は期限管理が重要
    様式第23号を使用し、臨時監査も速やかに対応。

  • 監査は外部委託できません
    帳簿書類を備え付け、育成就労終了日から1年間保存。

次に読むべき記事:

予定表を先に作ると、監査の抜けを防ぎやすくなる

監査や訪問指導で難しいのは、個々の手続きよりも、企業ごとに異なる起算月や前回の実施日を管理しながら、複数の企業を並行して担当することです。

育成就労制度は令和9年(2027年)4月1日に施行される予定です。最初の受入れが決まった企業から、この記事で紹介した予定表の形で1年目の監査・訪問指導の日程を書き出しておくと、担当者の割り振りや移動計画も立てやすくなります。

私たちG-Star HR Linkは監理支援機関ではないため、監査を代行することはできません。
一方、傘下の企業で特定技能への移行を予定している方の支援委託先を探している場合や、ネパールからの受入れを検討している場合には、登録支援機関としてお手伝いできることがあります。
組合のご担当者からのご相談も、お問い合わせから受け付けています。

なお、本記事は公表情報をもとに制度を整理したものです。
実際の運用にあたっては、出入国在留管理庁などの公式情報で最新の法令・運用要領をご確認ください。