
外国人を1人採用すると、職場はどう変わるのでしょうか。
「職場が活性化する」「多様性が生まれる」といった説明をよく見かけます。
もちろん間違いではありません。
しかし、これから外国人材を採用する企業にとって、それだけでは具体的な準備につながりません。
大切なのは、何が、なぜ、どのような順番で変わるのかを知っておくことです。
外国人と働くことで起きる変化の本質は、職場に新しい文化を持ち込むことだけではありません。
これまで「言わなくても分かる」で済ませていた仕事の進め方を、説明する必要が生まれることです。
そこから、会議の目的が問われ、業務手順が文章になり、指示が具体的になり、上司から部下へのフィードバックも変わっていきます。
この記事では、外国人採用によって組織に起こりやすい変化を順番に整理します。
公的統計から、曖昧な業務運営がどのようなコストにつながるのかも確認し、変化を「負担」で終わらせず、組織改善につなげるために管理職が取り組むべきことを解説します。
さらに、そもそも職場で会話が生まれにくい場合の入口づくりまで考えます。
G-Star HR Link株式会社は、静岡県浜松市を拠点にネパール人材の紹介・受け入れ支援を行っています。
代表の岡本自身、外国人だけのチームをマネジメントした経験があり、その現場での気づきをもとに本記事をまとめました。
成功例だけでなく、変化につながらなかった事例も紹介します。
外国人社員から「この会議、何の意味があるんですか」と聞かれた日

当社代表の岡本が、部下5〜6人が全員外国人という職場でマネジメントをしていた頃のことです。
会議を開くたび、参加者から同じ質問を受けました。
「この会議、何の意味があるんですか」
日本人社員だけの職場なら、あえて説明しなくても伝わっていたことが、外国人社員には伝わっていなかった。
岡本が向き合うことになったのは、そんな「当たり前」の違いでした。
この記事では、外国人雇用のメリットやデメリットを論じるのではなく、こうした質問がなぜ生まれ、何を変えることで減っていくのかを見ていきます。
質問の量は、能力ではなく「情報の差」で決まる
まず押さえておきたいのは、質問の多さを本人の性格や語学力、意欲だけで説明しないことです。
大きく関係しているのは、その人が持っている社内情報の量です。
新しく入った社員には、「なぜこの業務をするのか」「いつから続いているのか」「以前はどんな問題があったのか」といった社内の履歴がありません。
そのため、目的を説明されていない会議は「必要だから続いている会議」ではなく、「なぜ必要なのか分からない会議」に見えます。
質問が多いのは、能力が低いからではありません。
単純に、埋めるべき情報の差が大きいのです。
この視点に立つと、対応の違いも見えてきます。
「決まりだから」と答えても、情報の差は埋まりません。同じ疑問が、別の社員から繰り返し出てくるでしょう。
一方で、「以前こういう問題があったから、この会議を続けている」と背景を一度伝えれば、その後の質問が減ることがあります。
質問を減らすのは、説得ではなく情報の受け渡しです。
こうした変化は、外国人を雇用する大企業だけで起きる話でもありません。
外国人を雇用する事業所の63.1%は「30人未満」の規模です(出典: 厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」)。
社員数十人の会社だからこそ、「言わなくても分かる」をどう減らすかが、外国人社員とのマネジメントで重要になります。
外国人材の受け入れで起きる変化は「照会→言語化→標準化」
私たちが外国人材の受け入れ支援に入る企業では、現場の変化が次のような順番で進むことがあります。
最初は、「なぜこの作業をするのか」「これは誰のための仕事なのか」といった質問が出ます。
これが第1段階の「照会」です。
質問に答えるうち、これまで日本人社員の間では説明せずに共有されていた背景や判断基準を言葉にする必要が生まれます。
同じ説明を繰り返すなかで、口頭の説明が手順書やメモに変わっていきます。
これが「言語化」です。
さらに、その内容が作業手順や到達点として整理され、日本人の新人教育にも使われ始めます。
ここまで進むと、外国人材のために始めた取り組みが、職場全体の「標準化」につながります。
ただし、この変化が自然に最後まで進むわけではありません。
質問への対応だけを繰り返して第1段階で止まる会社もあれば、毎回口頭で説明し続け、第2段階で負担が増えていく会社もあります。
どこまで進められるかは、業種や会社規模よりも、管理職が質問をどう仕組みに変えていくかに左右されます。
説明できない前例から、暗黙知の言語化が始まる

まずは「照会→言語化」、つまり「問われる→答える→書く」の段階で、現場に何が起きるのかを見ていきます。
外国人材の受け入れで生まれる変化のなかでも、特に起こりやすい部分です。
最初に問われるのは「頻度が高く、目的を説明しにくい業務」
現場で質問が出やすい業務には、ある程度の傾向があります。
たとえば、毎週の定例会議、参加者が固定された打ち合わせ、承認が重なる書類、読まれていない日報、朝礼などです。
共通するのは、頻繁に行われている一方で、「なぜ続けているのか」を説明しにくいことです。
一方、安全確認や品質検査など、目的や必要性が比較的明確な業務は疑問になりにくい傾向があります。
最初に問われるのは、会社の根幹ではなく、これまで「当たり前」で済ませてきた仕事なのです。
問われた業務は、3つのどれかに仕分ける
「なぜこの仕事をするのか」と問われたとき、答えを探していくと、その業務は大きく3つに分けて考えられます。
以下は、私たちが外国人材の受け入れ支援の現場で使っている整理です。
問われたときの行き先 | 該当するもの | やること |
|---|---|---|
やめる | 目的を言葉にできず、やめても支障がないと確認できる | いつからやめるかを決め、必要に応じて一定期間様子を見る |
理由を書いて残す | 目的は説明できるが、口頭でしか共有されていない | 「なぜやるのか」を1〜2行で書き、手順の先頭などに残す |
やり方を書き直す | 目的は正しいが、現在のやり方が目的に合っていない | 目的から逆算して、人数・頻度・様式などを見直す |
出典:G-Star HR Linkの受け入れ支援の実務に基づく自社整理。
私たちの支援現場で特に多いのは、真ん中の「理由を書いて残す」です。
実際には、やめるべき業務よりも、意味はあるのに「なぜ続けているのか」を誰も説明できない業務のほうが多くあります。
問いに答えようとすることで、問題は業務そのものではなく、理由が共有されていないことだと分かります。
マニュアルは「質問が出たところ」から作る
ここで多くの会社がつまずきます。
言語化が必要だと分かると、すぐに業務マニュアルを網羅的に作ろうとしてしまうからです。
通常業務を抱えたまま一から整備すると、作業だけが増えて続かなくなりがちです。
現実的なのは、質問が出た順に1件ずつ書く方法です。
「同じ質問が2回出たら記録する」と決めてもよいでしょう。
繰り返される質問は、別の社員からも出る可能性があります。
一方、1回で終わる質問は、その人固有の疑問かもしれません。
私たちの支援現場では、この方法で少しずつ短い文書を蓄積し、結果的に実用的なマニュアルになっていくケースがあります。
最初から完璧を目指すより、続けやすい方法です。
言語化の効果は、日本人の新人教育にも表れる
こうして作った文書は、外国人材だけのためのものではありません。
むしろ、効果を実感しやすいのは日本人の新人や異動者の教育です。
「見て覚えて」と伝えていた仕事が文字になることで、仕事を覚えるまでの道筋が明確になり、ベテランが退職した際の引き継ぎにも活用できます。
社内では「外国人のためにマニュアルを作る」より、「教育の仕組みを整える。今回の受け入れが、そのきっかけになった」と説明するほうが、実態に合い、現場の理解も得やすくなります。
教える負担を誰がどう分けるかという設計そのものについては、外国人材の受け入れで社内がギクシャクしないために|社長と現場の温度差で詳しく扱っています。
質問を受けるなら、変える権限も決めておく
ひとつ注意したいのが、「やめる」と判断する権限です。
現場の教育担当者が「確かに必要ない」と思っても、その人に会議を止める権限がなければ、翌週も同じ会議が続きます。
すると質問した社員には、「聞いても何も変わらない」という印象だけが残りかねません。
質問を受け止める仕組みを作るなら、同時に「誰が業務を変える、または止める判断をするのか」まで決めておくことが大切です。
「何でも質問して」と伝えるだけでは、現場の期待に応えられません。
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外国人材との仕事で、指示の曖昧さが見えてくる
第2段階の「言語化」が進むと、次に変わってくるのが日々の指示やフィードバックです。
多国籍の職場では、語学力や異文化理解が注目されがちですが、実際には「適当に」「いつものように」といった曖昧な言葉を、どこまで具体的にできるかが重要になります。
「適当に」「いい感じに」「なるはや」が通じなくなる
「適当にやっておいて」「いい感じにまとめて」「なるはやで」。
こうした曖昧な指示は、相手と背景や判断基準、優先順位を共有しているからこそ成り立ちます。
共有されていない相手には、同じ指示でも受け取り方が変わります。
そこで、指示を「何を、どこまで、いつまでに、どうなれば完了か」の4点に分けて伝えるようになります。
実はこの変化は、外国人材だけに有効なものではありません。
日本人の新人や若手にも、指示の意図と到達点が伝わりやすくなります。
「言われたとおりにやったのに違うと言われた」という行き違いも、指示のどこかが曖昧だったことが一因かもしれません。
外国人材の受け入れをきっかけに、職場全体の指示の出し方を見直す。
そう考えると、国籍にかかわらず活用できる改善になります。
外国人労働者が感じる「困りごと」から見えるもの
では、説明や情報共有が不十分な場合、その負担はどこに表れるのでしょうか。
厚生労働省の「令和6年外国人雇用実態調査」では、現在の会社で働くうえで「トラブルや困ったことがある」と答えた外国人労働者は10.9%でした。
前年の14.4%から減少し、約9割は「ない」と回答しています。
そのうえで、困ったことが「ある」と答えた人に、その内容を複数回答で尋ねています。
ここから、外国人労働者が職場でどのような点に困っているのかを見ていきます。
就労上のトラブル・困ったことの内容(複数回答) | 外国人常用労働者計 |
|---|---|
紹介会社(送出し機関含む)の費用が高かった | 18.6% |
トラブルや困ったことをどこに相談すればよいかわからなかった | 14.9% |
事前の説明以上に高い日本語能力を求められた | 8.8% |
事前に労働時間やその他の就業条件について説明がなかった | 8.0% |
事前に説明された内容と実際の仕事内容が違った | 7.8% |
事前の説明以上に会社に入るまでに時間がかかった | 7.0% |
事前に説明された条件と実際の就業条件が違った | 6.7% |
事前の説明以上に会社に入るための費用がかかった | 4.9% |
事前に賃金について説明がなかった | 4.8% |
事前に仕事内容について説明がなかった | 4.7% |
会社に入るために必要な費用の説明がなかった | 2.6% |
その他 | 39.7% |
出典: 厚生労働省「令和6年外国人雇用実態調査の概況」第20表-1・第20表-2より作成(令和6年9月30日現在の状況を同年10〜11月に調査、令和7年8月29日公表)。
原典の全12項目を割合の高い順に並べると、外国人労働者が職場で何に困っているのかが見えてきます。
最も多いのは「紹介会社(送出し機関含む)の費用が高かった」ですが、その後には「説明がなかった」「説明と違った」「説明以上を求められた」といった、事前の説明に関する項目が続きます。
ここで重要なのは、これらを「外国人だから起きる問題」と捉えないことです。
仕事の内容やルールを十分に共有しないまま受け入れれば、認識のずれは起こり得ます。
また、「どこに相談すればよいかわからなかった」も上位にあります。
何を説明するかだけでなく、困ったときに誰へ相談するのかまで伝えておくことが、受け入れ後の行き違いを減らすうえで重要です。
相談先の設計については外国人材が定着する会社の共通点|孤立を防ぐ「職場の外」の居場所づくりで扱っています。
外国人材のマネジメントでは、フィードバックも具体化する
指示と同じように見直したいのが、評価やフィードバックの言葉です。
日本の職場では、「もう少し積極的に」「主体性を持って」「空気を読んで」といった表現が使われることがあります。
しかし、これらは具体的な行動が示されていないため、背景や判断基準を共有していない相手には、何を変えればよいのか伝わりにくい表現です。
そこで、評価や指導では「どのように行動してほしいのか」まで言葉にします。
「積極的に」→「作業が終わったら、次の仕事を自分から確認してほしい」
「主体性を持って」→「不良を見つけたら、判断を待たずに報告してほしい」
「空気を読んで」→「先輩が対応中なら、代わりに電話を取ってほしい」
こうして具体化すると、「行動に置き換えられない要求」が見つかることがあります。
それは業務上の基準ではなく、上司の期待や好みかもしれません。
評価する項目と、単なる希望を分けることは、外国人材だけでなく日本人社員の評価や育成にも役立ちます。
外国人材を受け入れるだけで、職場は変わらない
ここまで、外国人材の受け入れをきっかけに起こり得る変化を見てきました。
ただし、これらは自動的に起きるものではありません。
受け入れれば、自然に組織が良くなるわけでもありません。
質問が出ないまま時間だけが過ぎる職場もあります。
なぜなら、そもそも質問できる関係ができていないからです。
次章では、その土台について考えます。
外国人社員との会話は、仕事以外の話から始める

前提を確認するにも、指示を具体化するにも、まず会話ができる関係が必要です。
ところが実務では、業務連絡だけで終わり、仕事以外の会話がほとんどない職場もあります。
まずは自然な会話の入口を作ることが大切です。
雑談がない職場では、質問も生まれにくい
業務以外の会話がないまま「分からないことがあれば何でも聞いて」と伝えても、質問につながらないことがあります。
質問するには、「聞いても大丈夫そうだ」と思える関係が必要だからです。
「外国人スタッフから何も言ってこないので、特に問題はない」と判断するのは少し待ったほうがよいでしょう。
問題がない可能性もあれば、質問しづらいだけかもしれません。
その違いを見るには、仕事以外の会話が普段からあるかを確認することが一つの手がかりになります。
外国人社員との会話は「食」の話から始めてみる
当社が会話の入口としておすすめしているのが、食の話です。
理由は3つあります。
まず、宗教や政治、家族、お金などに比べて、相手に踏み込みすぎにくいこと。
次に、食事は毎日あるため話題を作りやすいこと。
そして、日本側の話もできるため、一方的な質問になりにくいことです。
実際、当社代表の岡本がベトナムで食事をした際、夕食に出たお粥を気に入り、「また食べたい」と話したところ、「それは朝ごはんに食べるものですよ」と返されたそうです。
「おいしければ好きな時間に食べる」という日本側の感覚と、「食べる時間帯が決まっている」という現地の感覚の違いが、何気ない会話から見えてきました。
こうした小さなやりとりには、この記事で扱ってきた「前提の違い」が表れています。
相手に尋ねることで、自分では気づかなかった前提に気づける。
食の話は、その経験を自然に作れる会話の入口です。
外国人社員への質問は「試す」のではなく「教えてもらう」
食の話をするときは、聞き方にも注意が必要です。
「納豆は食べられる?」「生魚は大丈夫?」という質問は、日本の食べ物を受け入れられるか試しているように受け取られることがあります。
おすすめは、相手の国の食文化を教えてもらう聞き方です。
「それは現地ではいつ食べるものですか」「朝は何を食べていましたか」と聞けば、相手が説明する側になるため、語彙が多くなくても会話を続けやすくなります。
日本のネパール料理店やインド料理店で「これは現地のものと同じですか」と聞くのも一つの方法です。
当社代表の岡本がネパール人スタッフと食事をすると、「ナンがこんなに大きくない」といった話から会話が広がるそうです。
当社が浜松で運営するAsian Mart & Cafeでも、母国の食材を身近に入手できる環境が、生活の安心につながる場面を見てきました。
ネパール出身者の文化的な背景についてはネパール人の国民性と性格|数百人と面談してきた紹介会社が見た実像にまとめています。
外国人材の受け入れを、組織の改善につなげるには
ここまで見てきた変化は、外国人材を受け入れれば自動的に起こるものではありません。
私たちの支援経験では、差を生むのは意識よりも、管理職が用意する5つの仕組みです。
①「なぜ?」への一次回答は管理職が担う
「なぜですか」という質問を、現場の教育担当者だけに任せないことが大切です。
教育担当者は手順を教えられても、会議を止めたり、制度やルールの背景を説明したりする権限がない場合があります。
制度・ルール・慣習に関する質問は管理職が受けると決め、本人にも最初に伝えておきましょう。
②質問を集める場所と、回答する日を決める
質問をその場ですべて処理しようとすると、管理職の負担が増え、「後で」と先送りしがちです。
質問を記録する場所を1か所に決め、月1回まとめて回答する日を設けましょう。
安全や手続きなど、即答が必要なものだけ例外にします。
③「分からない」と言える管理職がいるか
質問に対して、その場を収めるための説明をすると、次から本気の質問が出にくくなることがあります。
無理に答えず、「今は分からない。○日までに調べて答える」と伝える姿勢が大切です。
答えを保留しても誠実に返すことで、質問や情報が集まりやすくなります。
④減らした業務の時間を、教育に振り替える
会議や書類を減らして生まれた時間は、放っておくと別の業務で埋まります。
「教える時間がない」を変えるには、空いた時間の一部を教育や振り返りの時間として、あらかじめ予定に組み込むことが大切です。
1人あたり何分をどこから捻出するかという具体的な合意形成の手順は、外国人材の受け入れで社内がギクシャクしないために|社長と現場の温度差で扱っています。
⑤受け入れ環境の整備には、助成制度を使える場合がある
手順書の整備や翻訳・通訳、日本語教育などには費用がかかります。
こうした取り組みの一部には、「採用」ではなく「外国人材の受け入れ環境の整備」を対象とする国の助成制度があります。
要件や申請の順序は制度によって細かく異なるため、着手前に確認しておくことをおすすめします(外国人雇用で使える助成金・補助金)。
地域によっては自治体の相談窓口や支援メニューもあります(東海圏の状況は愛知・東海圏の外国人雇用)。
外国人材が増えても、問題の本質は変わらない
「1人なら対応できるが、人数が増えたらどうなるのか」という相談をよく受けます。
当社が支援する企業には、従業員約200人のうち120人ほどが外国人という会社もあります。
もちろん課題がゼロになるわけではありませんが、現場で起きているのは、日本人社員の職場でも起こり得る程度の問題が中心です。
人数が増えて変わるのは、問題の種類よりも、仕組みがない場合に負担が表面化する速さです。
質問の窓口が決まっていない、手順が文字になっていない状態でも、1人なら周囲の善意で対応できることがあります。
しかし、人数が増えれば、その方法は続きません。
だからこそ、最初の1人を受け入れる段階で仕組みを整えておく。
これが、外国人材の受け入れ人数を増やす際の土台になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 変化はどのくらいの期間で表れますか?
A.質問が出始めるのは、受け入れから1〜3か月ごろが多い印象です。
手順書や指示の見直しまで進むには、半年〜1年ほどかかることがあります。
3か月で判断せず、受け入れ前に振り返る時期を決めておきましょう。
Q2.質問が多く、現場が「面倒だ」と感じています。どうすればよいですか?
A.まず、質問が誰に集中しているかを確認しましょう。
制度やルールまで教育担当者が答えているなら、本人の資質ではなく負担の配分に問題がある可能性があります。
管理職が制度・ルールの質問を引き取り、質問を集める場所と回答する日を決めるだけでも、負担を減らせます。
Q3. 「意味がない」と言われた業務は、やめてもよいのでしょうか?
A.すぐにやめず、まず関係者に目的を確認しましょう。
目的が説明できなければ、法令・許認可・安全・品質保証に関わらないことを確認したうえで、一定期間止めて様子を見る方法があります。
支障が出なければ終了し、必要だと分かれば理由を記録して再開します。
Q4. 受け入れ前に、準備しておくことはありますか?
A.「なぜですか」と聞かれたときの回答者を決めておきましょう。
さらに、社内で説明しにくい業務を1〜2つ洗い出しておくと安心です。
最初からマニュアルをすべて整える必要はありません。
何が伝わりにくいかは、受け入れて初めて分かることも多いからです。
まとめ
外国人材の受け入れは、社内の「当たり前」を見直すきっかけになる
説明してこなかった前提が問われ、会議・手順・指示・評価の具体化につながる。変化は「照会→言語化→標準化」と進むことがある
ただし自動的に進むわけではなく、質問への対応だけで止まる会社もある。最初に問われやすいのは、目的を説明しにくい業務
「やめる」「理由を書いて残す」「やり方を書き直す」の3つに整理できる。説明不足による負担が、外国人労働者側に表れることもある
厚労省調査では、トラブルが「あり」と回答した人の困りごとの中に、説明に関する項目が上位にある。変化を進める鍵は、5つの仕組みを整えること
回答者を決める、質問を集める、分からないと言える、教育時間を確保する、環境整備に助成制度を活用する、という設計が重要。
本記事は公表情報をもとに整理しています。制度の最新情報は、出入国在留管理庁等の公式情報をご確認ください。
次に読むべき記事:
まず整えるべきは「変化」ではなく、質問を受ける仕組み
ここまで読んで、「うちは何も変わらないのでは」と感じた方もいるかもしれません。
その感覚は自然です。
この記事で紹介した変化は、質問が出て、それを受け止める人がいて、答えを残す仕組みがあって初めて続いていきます。
だからこそ、最初から「組織を変える」ことを目標にする必要はありません。
まずは、制度やルールについて質問されたときに答える人を1人決めること。
そして、その答えを記録する場所を1か所つくること。この2つから始めれば十分です。
自社では何から始めればよいのか、外国人材の受け入れにどんな準備が必要なのかを整理したい方は、お気軽にお問い合わせからご相談ください。