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特定技能の随時届出|退職以外で14日以内に出す届出と、出さなくてよい変更

特定技能の随時届出|退職以外で14日以内に出す届出と、出さなくてよい変更

特定技能外国人を受け入れてしばらくすると、人事・総務には、在籍中の変更に関する相談が増えてきます。

「来月から別の工場で働いてもらいたい」「手当を整理して基本給にまとめたい」「登録支援機関を変更したい」「本人がけがをして、1か月以上休業することになった」。

どれも職場では起こり得ることですが、特定技能では、変更の内容によって入管への届出が必要かどうかが変わります。

退職時の手続きは把握していても、雇用契約や支援体制を変更したときの届出まで、漏れなく管理できているでしょうか。

特定技能所属機関が行う随時届出は、大きく6つの区分に整理できます。
原則として、届出事由が生じた日から14日以内に提出しなければなりません。
ただし、雇用契約の変更は、すべてが届出対象になるわけではありません。
基本給の増額など、本人に有利な賃金変更は届出不要となる一方、賃金の支払方法や勤務形態の変更などは、内容に応じて届出が必要です。

この記事では、出入国在留管理庁の「随時届出Q&A」(令和7年6月)をもとに、退職以外で届出が必要なケースと、届出が不要な変更をQ番号とともに整理します。
日々の労務管理で判断に迷ったときに、確認できる実務資料として活用してください。

この記事を執筆するG-Star HR Linkは、浜松を拠点に、有料職業紹介事業(許可番号:22-ユ-300884)と登録支援機関(登録番号:25登-011561)の両方を担い、特定技能外国人の受入れを支援しています。
支援委託契約の締結・終了や支援担当者の変更など、届出に関わる実務にも携わっています。

本記事では、退職・解雇に伴う届出とは分けて、在籍中に生じる変更を中心に、入管庁の公表資料と法令に基づいて解説します。

随時届出は6区分|退職以外にも届出が必要な場面がある

特定技能所属機関(受入れ企業)の届出には、年1回の定期届出と、事由が生じるたびに行う随時届出があります。
随時届出の根拠は、出入国管理及び難民認定法(入管法)第19条の18第1項です。

同項は、特定技能雇用契約や支援計画の変更、支援委託契約の締結・変更・終了のほか、受入れ困難や基準不適合などを届出事由として定めています。
本記事では、随時届出を6区分に整理し、それぞれの届出要件と期限を解説します。

随時届出の6区分と参考様式|何が起きたら提出する?

出入国在留管理庁の届出案内と「随時届出Q&A」A1-1をもとに、受入れ企業が行う随時届出を6区分に整理しました。
届出事由に応じて、使用する参考様式を確認しましょう。

届出の区分

出す場面の例

参考様式

特定技能雇用契約の変更・終了・新規締結

雇用契約の内容を変更した、契約が終了した、同じ企業と新たな契約を結んだ

第3-1-1号(変更)/第3-1-2号(終了・締結)

1号特定技能外国人支援計画の変更

支援計画の内容や支援責任者・担当者などを変更した

第3-2号

支援委託契約の締結・変更・終了

登録支援機関との委託契約を締結・変更・終了した

第3-3-1号(変更)/第3-3-2号(終了・締結)

受入れ困難に係る届出

受入れの継続が困難になった

第3-4号

基準不適合

受入れ企業が特定技能基準省令の基準を満たさなくなった

第3-5号

支援計画の実施困難

1号特定技能外国人への支援計画を実施できなくなった

第3-7号

出典: 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」(2026年10月閲覧)、同「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)A1-1

2025年4月1日の制度改正では、従来の「不正行為等を知ったとき」の届出が見直され、基準不適合に係る届出へ整理されました。

また、第3-7号は「1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出書」として位置づけられています。
古い資料を参照すると様式名や届出区分が異なる場合があるため、最新の公表資料で確認することが重要です。

実際に提出する際は、届出事由と最新の様式・提出資料一覧を確認してください。

期限は14日以内|郵送は消印ではなく到達日で判断

随時届出は、原則として届出事由が生じた日から14日以内に提出します。
入管庁のQ&A(A1-2・A1-3)では、未来の日付を事由発生日とする届出はできず、郵送の場合も14日以内に地方出入国在留管理局へ到達する必要があるとしています。

ただし、基準不適合と支援計画の実施困難に係る届出は、事由を認知した日から14日以内です。

また、受入れ困難の届出では、退職や1か月以上活動できない原因となる事由が生じた日から14日以内とされています。
届出区分ごとに起算点を確認し、期限を管理しましょう。

退職・解雇・本人の届出は別の記事で

退職に伴う「契約の終了」の届出は、外国人材が退職・帰国するときの手続きで様式と期限を時系列に並べています。
解雇の場合は外国人材を解雇するときの手続き、年1回の定期届出は特定技能の定期届出は年1回になったをご覧ください。

また、ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」は入管の随時届出とは別の制度で、本記事の対象外です。

雇用契約の変更|届出が要る変更と、要らない変更

日本人の人事担当者が、変更前と変更後の雇用条件書を2枚並べて見比べている手元

特定技能外国人の受入れ後、雇用条件を変更する場面は少なくありません。

ただし、変更があればすべて随時届出が必要になるわけではありません。
届出が必要な変更と、届出が不要な変更を区別しておくことが、実務上のポイントです。

原則は「報酬・労働条件の変更は届出、軽微な変更は不要」

Q&AのA2-1は、特定技能雇用契約の変更が「軽微な変更」に当たる場合、届出は不要としています。
軽微な変更とは、報酬又は労働条件以外の変更であって、特定技能雇用契約に実質的な影響を与えない変更です。

届出が必要となる変更の具体例は、運用要領 第7章第1節第1の別表(特定技能雇用契約の変更関係)に、雇用条件書(参考様式第1-6号)の項目に沿って整理されています。
ただし、別表はあくまで具体例です。掲載されていない変更でも、届出が必要になる場合があります。

実務では、まず雇用条件書のどの項目に変更が生じたかを確認し、別表に照らして届出の要否を判断すると整理しやすくなります。
Q&AのA2-10によると、届出書(参考様式第3-1-1号)の「変更事項」は雇用条件書の項目に対応しており、複数の項目が変わった場合は、変更したすべての項目にチェックします。
ただし、軽微な変更についてはチェック不要です。

本人に有利な賃金の変更は、届出不要(2023年8月から)

入管庁は2023年8月31日、運用要領の改正にあわせて「特定技能雇用契約の変更届出が不要となる場合の取扱いについて」を公表しました。
これにより、特定技能外国人にとって利益となる賃金の変更は、入管への届出が不要となりました。

具体例は、①基本賃金(時給)の引上げ、②雇用条件書(参考様式第1-6号)に記載された手当の追加、③これまで支給していなかった賞与の新設です。
賃金の上昇に伴う法定控除額の変更も、届出は不要です。

ただし、注意点が2つあります。
1つ目は、届出の有無にかかわらず、変更後の雇用条件書等を特定技能外国人が在籍する事業所で保管すること。
2つ目は、基本賃金の減額、諸手当の廃止、昇給を「有」から「無」に変更するなど、本人に不利益となる変更は、従来どおり届出が必要なことです。

つまり、不要になったのは入管への届出であり、変更内容を雇用条件書等に反映し、本人に説明して理解を得るための対応まで不要になったわけではありません。

迷いやすい場面の線引き(賃金まわり)

入管庁のQ&A A2-24~A2-34から、実務で迷いやすい事例を整理しました。

変更の内容

届出

Q&Aの答えの要点

雇用条件書に書いたとおりに昇給し、基本賃金が上がった

不要

予定していた昇給が何らかの事情でなくなった場合は必要(A2-24)

基本賃金を日給制から月給制に変えた(支給額は増加)

必要

支給額が増えていても必要(A2-25)

法改正などに伴う労働条件の変更

場合による

諸手当の増額などで賃金が増えるなら不要。基本賃金の減額や昇給がなくなる場合は必要(A2-26)

基本賃金は変えず、手当の支給をやめた

必要

14日以内に提出(A2-27)

無償の昼食をやめ、代わりに食事手当を支給

不要

食事手当で賃金が増加する場合(A2-28)

賃金締切日・支払日を変えた

原則不要

変更時点で給与の支払間隔が1か月以上開く場合は必要(A2-29)

休業手当の支給割合を平均賃金の60%から上げた

不要

60%以上を記載していて、割合を下げる場合は必要(A2-31)

労使協定に基づく控除を新たに設けた(無→有)

必要

14日以内に提出(A2-32)

控除の項目・金額が減っただけ

不要

本人のほかの支出が増えない場合に限る(A2-33)

業績不振で賞与の支給がなくなった

場合による

雇用条件書に「業績により支給しない場合がある」等と書いていれば不要。支給額を定めていた場合は賃金の減額として必要(A2-34)

出典: 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)A2-24〜A2-34

この表から分かるように、届出の要否は賃金の増減だけでは決まりません。
日給制から月給制への変更は、支給額が増えても届出が必要です。

また、基本賃金を変えずに手当を廃止する場合や、控除を新設する場合も対象となります。
変更内容だけでなく、雇用条件書の記載と変更前後の条件を照合して判断しましょう。

迷いやすい場面の線引き(勤務場所・時間・会社の変更)

変更の内容

届出

Q&Aの答えの要点

別の事業所へ転勤した/記載のない事業所でも掛け持ちで働く

必要

就業場所の変更に当たる(A2-14)

同じ事業所の中で部署が変わった

場合による

雇用条件書の「就業の場所」に部署まで書いていて、その記載が変わる場合は必要(A2-15)

労働者派遣で派遣先を追加した

必要

派遣計画書に記載のない派遣先で就労する場合に当たる(A2-17)

社内規則の改訂で始業・終業時刻が変わった

不要

所定労働時間に変更がない場合(A2-22)

固定の始業・終業時刻から交代制勤務に変えた

必要

14日以内に提出(A2-23)

月単位から1年単位の変形労働時間制に変えた

必要

労基署へ届け出た協定書の写しを添付(A2-20)

1年単位の変形労働時間制で、毎年の年間カレンダーが変わる

場合による

年間所定労働日数が増える、または年間休日が減る場合は必要。うるう年・曜日の巡り・祝日の変更によるものは不要(A2-21)

就業規則を改正し、退職に関する規定が変わった

場合による

雇用条件書の「退職に関する事項」の内容が変わるなら必要(A2-35)

雇用契約期間を短くした

必要

1日でも短くすれば必要(A2-11)

雇用開始が予定より遅れた(契約期間は変わらない)

不要

許可から1か月たっても就労を始めていなければ、受入れ困難の届出が必要(A2-12)

会社の名称・住所が変わった

不要

本人による所属機関の届出(入管法第19条の16)が要るので提出を促す(A2-8)

合併・分割で所属機関(雇用主の法人)が変わった

不要

雇用契約の変更届出は要らないが、別途在留資格変更許可申請が必要(A2-9)

出典: 出入国在留管理庁「特定技能所属機関からの随時届出に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和7年6月)A2-8〜A2-35

「変更年月日」は合意した日ではなく、効力が生じた日

Q&AのA2-7によると、「変更年月日」は、契約の変更について効力が生じた日です。
例えば、9月1日に「10月1日から賃金を変更する」と合意した場合、変更年月日は10月1日となり、届出期限はその日から14日以内です。

A1-2では、届出事由の発生日が未来日の届出はできないとされています。
つまり、合意した時点ではなく、変更の効力が生じてから14日以内に届け出ます。

在留期間の更新に合わせて条件を見直したときも、届出は別に要る

在留期間の更新に合わせて基本給や手当を見直し、改定後の雇用条件書を更新申請に添付した場合でも、受入れ企業による変更届出は必要です(Q&A A2-6)。

更新申請を行うのは外国人本人であり、その申請書類を提出しても、企業に課された届出義務を果たしたことにはなりません。
変更の効力が生じた日から14日以内に、別途届け出ます。

届出に添付する雇用条件書は、変更箇所のみの記載でも構いません(A2-2)。
ただし、本人が十分に理解できる言語で翻訳・説明し、内容を理解したうえで署名していることが必要です。
同じ内容を満たす場合は、労働条件通知書などで代えることもできます。
更新申請と企業の変更届出は、別々に管理しましょう。

支援まわりの届出|支援計画の変更と、登録支援機関との委託契約

受入れ企業の日本人担当者と登録支援機関の日本人担当者が、打ち合わせ席で書類を前に話している場面

支援体制を変更すると、「支援計画変更」(第3-2号)と「支援委託契約」(第3-3-1号/第3-3-2号)の届出が関係します。
変更内容によって必要な届出は異なり、両方が必要な場合もあります。

支援体制を変えたときに出すものの組み合わせ

場面

出すもの

根拠

委託先の登録支援機関を替えた

第3-3-2号(旧委託先の終了+新委託先の締結)+第3-2号

A4-4

全部委託をやめて自社支援に切り替えた

第3-3-2号(終了)+第3-2号

A3-6・A4-3

自社支援の予定で許可を受けた後、全部委託に切り替えた

第3-3-2号(締結)+第3-2号(登録支援機関の概要書・支援責任者と担当者の書類も添付)

A3-7・A4-2

自社支援の予定で許可を受けた後、一部だけ委託した

第3-2号のみ(一部委託は委託契約の届出の対象外)

A3-8・A4-1

支援計画書に書いた支援の実施担当者が変わった

第3-2号(支援計画書と担当者の履歴書を添付)

A3-4

支援責任者が交代した

第3-2号(新任の就任を記載。退任の記載は原則不要)

A3-3

支援担当者の人数が変わったが、計画書の人数は下回らない

不要

A3-5

支援委託契約の契約期間・委託料を変えた

第3-3-1号(期間は短縮に限らず、変更があれば必要)

A4-8・運用要領 第7章第3節第2

複数名を全部委託中、1人が退職したが委託契約は続く

委託契約の届出は不要

A4-6

出典: 出入国在留管理庁「随時届出Q&A」(令和7年6月)A3-3〜A4-8、同「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版)第7章第2節・第3節

委託先を替えるときに「新しい登録支援機関との契約の届出だけ出せばいい」と考えると、旧委託先の終了と支援計画の変更の2つが抜けます。

A4-4の答えは、終了と締結の両方の事由を第3-3-2号で届け出たうえで、支援計画書の「登録支援機関」欄が変わるので第3-2号も要る、というものです。

運用要領の提出書類一覧表も、委託先を変える場合は「終了」と「締結」の届出がそれぞれ必要だと注記しています。

全部委託していても、届け出るのは受入れ企業

登録支援機関に支援を全部委託していても、随時届出を行うのは受入れ企業です。
登録支援機関が代わりに届け出ることはできません。

委託先は、支援担当者の変更や委託契約の変更など、届出が必要となる事由が生じた場合、速やかに受入れ企業へ共有し、変更後の支援計画書や担当者の履歴書など、必要な資料を提供して手続きを支えます。

一時帰国で契約をいったん終えたとき

一時帰国のため雇用契約を終了し、再入国後に同じ条件で結び直す場合、雇用契約の終了と新たな締結について、それぞれ届出が必要です(Q&A A2-47、運用要領第7章第1節第2)。

一方、支援委託契約は、実際に終了した場合は終了届出が必要ですが、再入国後も同じ登録支援機関との契約を継続する場合は不要です(Q&A A4-5)。
雇用契約と支援委託契約は分けて、終了の有無を確認しましょう。

そもそも自社支援と委託のどちらを選ぶかは特定技能の支援は自社と委託のどちらを選ぶか、支援計画の各欄の書き方は1号特定技能外国人支援計画の書き方で扱っています。

働けない状態が続くとき|1か月以上の活動不能と、受入れ困難の届出

受入れ困難に係る届出(参考様式第3-4号)は、退職や解雇だけが対象ではありません。
在籍したまま、特定技能の活動ができない状態が続く場合も対象になります。

2025年4月から明確になった「1か月」の基準

入管庁の「運用要領改正のポイント」(令和7年3月作成)では、2025年4月1日から、雇用後に1か月以上活動できない事情が生じた場合に加え、在留資格の許可後、1か月が経過しても就労を開始できない場合も届出が必要とされています。
添付書類として、活動未実施の状況説明書(参考様式第5-14号)と、行方不明の状況説明書(第5-15号)も整備されました。

Q&A A5-10では、雇用後に1か月以上活動できない事情が生じた場合、届出書と第5-14号の提出を求めています。
例には、生産ラインの縮小、業務中の病気・けがによる休業、妊娠・出産・育児や私生活上の病気・けがによる休業などがあります。
届出は、該当する事由が生じた日から14日以内に行います。

届出が要らないのは「働けるのに本人の意思で休む」場合

Q&A A5-10では、就労できない事情がないにもかかわらず、本人の意思で有給休暇などを利用し、1か月以上活動しない場合は届出不要とされています。

一方、妊娠・出産・育児や病気・けがによる休業は、就労できない事情に当たるため届出が必要です。
長期の一時帰国は、理由や状況によって判断が異なる可能性があるため、管轄の地方出入国在留管理局に確認しましょう。

添付する説明書は事由で変わる

受入れ困難の届出には、事由に応じた説明書を添付します(Q&A A5-2)。
1か月以上活動できない場合は第5-14号、行方不明の場合は第5-15号、それ以外は「受入れ困難となるに至った経緯に係る説明書」(第5-11号)を使用します。

届出後に事情が変わり、雇用契約を継続することになった場合、契約終了の届出は不要ですが、復職に至った経緯などを説明する文書の提出が求められます(A5-3)。

一方、本人の自己都合退職では、受入れ困難の届出は不要で、契約終了の届出を行います(A5-1)。

この流れは退職・帰国の記事で、行方不明の場合の初動は技能実習生が失踪したときの対応で扱っています。

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基準不適合と、支援計画の実施困難

残る2種類は、会社が把握し、対応すべき事態が起きたときの届出です。
どちらも起算点は「事由を知った日」です。

基準不適合(第3-5号)は「特定技能基準省令第2条」を満たさなくなったとき

基準不適合とは、特定技能基準省令第2条に定める受入れ機関の基準に適合しなくなった状態です(Q&A A6-1)。
A6-2では、主な例として次の事由を挙げています。

  • 税金や社会保険料などの滞納(第2条第1項第1号)

  • 特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者(日本人や他の在留資格の外国人を含む)の非自発的離職(同第2号)

  • 関係法令による刑罰、出入国・労働関係法令に関する不正行為、外国人への暴行・脅迫・監禁、手当や報酬の不払いなど(同第4号)

届出には「基準不適合に係る説明書」(参考様式第5-18号)を添付します。
期限内に是正できた場合も届出は必要で、原因や改善の経緯を記載します(A6-3)。
是正が完了していない場合も、基準不適合を知った日から14日以内に、届出時点の状況や対応を説明して提出します(A6-4)。

また、日本人従業員に対する労働関係法令違反も、基準不適合に該当する場合があります(A6-8)。
運用要領では、基準不適合について、態様や程度を問わず届出対象としています。

支援計画の実施困難(第3-7号)は自社支援の会社が出す

第3-7号は、支援計画に定めた支援の実施が困難になった場合や、定期面談・相談で把握した問題を社内で解決できず、行政機関などに相談した場合に提出します(Q&A A7-2)。
非自発的離職時の転職支援も対象ですが、生活上の行政手続に付き添うこと自体は含まれません。

支援を登録支援機関に全部委託している場合、受入れ企業による第3-7号の届出は不要で、登録支援機関が「特異事案報告書」(参考様式第4-3号)を提出します(A7-1)。
本人の申出によって義務的支援を実施しなかった場合も届出対象外ですが、申出があった記録は保管が必要です(A7-3)。

なお、定期面談などで基準不適合を把握した場合は第3-5号の届出が必要です。
さらに、問題を社内で解決できず行政機関などへ相談した場合は、第3-7号も必要になることがあります(A6-9)。

出し忘れ・遅れたとき|遅延理由書と、受入れへの影響

14日を過ぎても出せる。理由書の添付が必要

14日以内に届出ができなかった場合も、届出は可能です。
入管庁Q&A A1-4は、速やかに提出し、遅れた理由を説明する文書を必ず添付するよう求めています。

提出書類一覧表でも、期限内に提出できなかった場合は理由書(任意様式)が必要とされています。
遅れに気づいたら、理由書を添えて速やかに届け出ましょう。

本人が特定技能でなくなった後・出国した後でも届出は必要

Q&A A1-5では、特定技能の在留資格で在留していた期間中に発生した事由については、本人が別の在留資格に変更した後や出国した後でも届出が必要とされています。
過去の変更で届出漏れに気づいた場合も、速やかに対応しましょう。

罰則と、受入れそのものへの影響

随時届出をしなかったり、虚偽の届出をしたりすると、罰金や過料の対象となるほか、特定技能外国人の受入れができなくなる場合があります(Q&A A1-6)。
根拠条文は次のとおりです。

  • 入管法第71条の4第1号:30万円以下の罰金
    特定技能雇用契約の変更・終了・新たな締結に関する届出(第19条の18第1項第1号)や、受入れ状況に関する届出(同条第2項第1号)をせず、または虚偽の届出をした場合が対象です。

  • 入管法第77条の2第1号:10万円以下の過料
    上記以外の随時届出、例えば支援計画の変更、支援委託契約、受入れ困難、基準不適合などの届出をせず、または虚偽の届出をした場合が対象です。

  • 特定技能基準省令第2条第1項第4号リ
    入管法上の届出をせず、または虚偽の届出をする行為は、受入れ機関が満たすべき基準に適合しない事由に含まれます。

入管庁も、届出が適正に履行されていない場合、特定技能外国人を受け入れられなくなることがあると注意喚起しています。
罰金や過料だけでなく、今後の受入れにも影響する点に注意が必要です。

出し方|電子届出・郵送・窓口と、誰が作るか

ノートパソコンで電子届出の画面に向かう担当者の後ろ姿と、横に置かれた書類のファイル

電子届出なら全部オンラインで出せる

Q&A A1-12によると、特定技能所属機関と登録支援機関が行う届出は、すべて「出入国在留管理庁電子届出システム」で提出できます。
利用には事前の利用者情報登録が必要で、所定の様式を地方出入国在留管理局の窓口へ提出するか、郵送します。

運用要領第7章では、届出を持参・郵送する場合、在留諸申請や届出の提出書類の省略を認める機関ではなくなることに注意を促しています。
届出の頻度が多い企業ほど、早めに電子届出の利用準備を進めておくとよいでしょう。

提出先は本店所在地を管轄する入管局

紙で提出する場合、特定技能所属機関の届出先は、法人なら登記上の本店所在地を管轄する地方出入国在留管理局・支局です(Q&A A1-9)。
静岡県に本店がある企業は、名古屋出入国在留管理局の就労審査第二部門が担当します。
工場や支店の所在地ではない点に注意しましょう。
郵送時は封筒に「特定技能届出書在中」と記載し、必要な本人確認書類の写しを同封します。

作成者・署名と、作成の委任

届出書の「本届出書作成者の署名」欄には、特定技能所属機関の役職員で、実際に届出書を作成した人が署名します(Q&A A1-8)。
作成を外部に委任できるのは、法令上、官公署に提出する書類の作成を業として行える行政書士または弁護士です(A1-7)。
それ以外の者への委任は、行政書士法等に抵触するおそれがあります。
委任する場合は、Q&Aや所定の様式に従い、必要な委任状を提出します。

登録支援機関も、行政書士・弁護士でない限り、届出書の作成を引き受けることはできません。
当社のような登録支援機関ができるのは、届出が必要な場面を知らせることや、添付資料の準備を支援することなどです。

出した後で誤りに気づいたら

届出書の提出後に誤りが判明した場合、別の届出書を新たに作成するのではなく、提出済みの届出書を補正して再提出します(Q&A A1-11)。
提出先の地方出入国在留管理局に問い合わせ、手順を確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 昇給したら届出は要りますか。

A.基本賃金の増額や手当の追加、新たな賞与の支給など、本人に有利な賃金変更は届出不要です(2023年8月31日からの取扱い)。
雇用条件書に記載された昇給も同様です(Q&A A2-24)。

ただし、変更後の雇用条件書等は、本人が在籍する事業所で保管します。
日給制から月給制への切替えなど、支給額が増えても届出が必要な変更があるため、変更内容ごとに確認しましょう。

Q2. 部署や勤務場所が変わったら届出は要りますか。

A.別の事業所への転勤や、雇用条件書に記載のない事業所での掛け持ちは届出が必要です(Q&A A2-14)。
同じ事業所内の部署異動も、雇用条件書の「就業の場所」に部署まで記載され、その内容が変わる場合は届出が必要です(A2-15)。

Q3. 登録支援機関を替えるとき、何を出せばよいですか。

A.参考様式第3-3-2号で、旧委託先との契約終了と新委託先との契約締結を届け出ます。
併せて、支援計画変更の届出(第3-2号)も必要です(Q&A A4-4)。
提出するのは受入れ企業であり、登録支援機関が代わりに届け出ることはできません。

Q4. 14日を過ぎてしまいました。どうすればよいですか。

A.14日を過ぎても届出は可能です。
遅れに気づいたら速やかに提出し、遅延理由を説明する文書を必ず添付してください(Q&A A1-4)。

また、本人がすでに特定技能以外の在留資格に変更していたり、出国していたりしても、特定技能の在留中に生じた事由については届出が必要です(A1-5)。

まとめ

  • 随時届出は6区分。期限は原則14日以内
    届出事由が生じた日、または基準不適合・支援計画の実施困難などを知った日から14日以内に提出します。
    郵送は期限内に入管局へ到達する必要があり、未来の日付を事由発生日とする届出はできません。

  • 本人に有利な賃金変更は、届出不要の場合がある
    基本給の増額、手当の追加、賞与の新設などは届出不要です。
    変更後の雇用条件書等は事業所で保管します。

  • 賃金が増えても、届出が必要な変更がある
    日給制から月給制への切替えや、交代制勤務への変更などは届出対象となる場合があります。
    雇用条件書の変更箇所と変更内容を確認して判断しましょう。

  • 登録支援機関の変更は、2種類の届出が必要
    支援委託契約の終了・締結に関する届出と、支援計画変更の届出を行います。
    全部委託していても、提出するのは受入れ企業です。

  • 退職しなくても、受入れ困難の届出が必要な場合がある
    1か月以上活動できない事情が生じた場合や、在留資格の許可後1か月を経過しても就労を開始していない場合などは、届出対象です。
    期限を過ぎた場合も、遅延理由を説明する文書を添えて速やかに提出します。

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届出が要るかどうかは、変更を決める前に確かめておけます

随時届出が抜ける理由として私たちがよく見るのは、制度を知らないことより、社内で給与や配置を変えた担当者と入管の届出を管理する担当者が別の人であることにあります。
給与改定、配置転換、就業規則の改正、委託先の見直しを決める会議の議題に「特定技能外国人への影響」を一行足しておくだけで、14日の期限を後から追いかける場面を減らせます。
判断に迷う変更は、管轄の地方出入国在留管理局に確かめるのが確実です。

当社は登録支援機関として、支援担当者の交代や委託契約の見直しのように、届出のきっかけになる変更に企業と一緒に立ち会っています。
「この変更は届出の対象になりそうか」「委託先を替えるなら段取りはどうなるか」といった、変更を決める前の段階のご相談も承っています。
届出書の作成そのものは行政書士の業務になるため、その場合の進め方も含めて、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。

本記事の制度に関する記述は、公表されている情報をもとに整理したものです。
最新の省令・運用要領については、必ず出入国在留管理庁等の公式情報をご確認ください。